第1179回

生命科学技術・国際卓越大学院プログラム
この3月まで、吉川は生命科学技術国際卓越大学院プログラム(WINGS-LST)のコーディネーターを7年務めさせていただき、4月から岡田随象先生にバトンタッチしました。
そもそもWINGS-LSTとは?という方も多いと思います。WINGS-LSTは生命科学技術分野において、国際的に通用する高い研究力と幅広い視野、そして異分野を融合する能力を持つ卓越した博士人材を育成する修博一貫の大学院教育プログラムです。医・工・薬・理の複数の研究科が連携して運営し、毎年40人、全体で200名程度が在籍しています。
WINGS-LSTは、文部科学省の「卓越大学院プログラム(WISE Program)」に東京大学では最初に採択されました。このため、「文科省向け」と「学生向け」の2つの顔を持っていました。「文科省向け」は、教育プログラムとして色々やっていて、企業とも連携しています!(これはコロナの影響もあってあまり進みませんでしたが)の顔。「学生向け」は、プログラムからの経済的支援を行い、生活の心配をせずに研究に専念出来るように、の顔。
WISEはこの3月で終了しましたので、「文科省向け」の顔の比重を減らして、「学生向け」の顔の比重を増やして行きたいところですが、解決すべき問題もあります。まず、物価高と、大卒の初任給が上がっていることもあって、現在プログラムで支給している18万円と言う支援額が十分でなくなっています。一方、この支援は大学が独自の資金で継続して行う事を約束していますが、その原資については先行き不透明です。
私としては、東京大学の一番の宝は優秀な学生だ、と思っているので、彼らがのびのびと、面白いと思う研究に打ち込める環境を整え、アカデミックに進むことを躊躇無く選択できるようにしたい、と考えています。
吉川雅英
(医学系研究科)

