ご挨拶

ジェンダー・エクイティ推進オフィス長挨拶


近年、研究者が育児や家庭とキャリアを両立するための支援のニーズがますます高まっています。特に、産休・育休からのスムーズな復職や育児との両立は、キャリア初期の研究者、とりわけ女性研究者にとって大きな課題です。家事・育児の負担が女性に偏っている現状から生じるキャリアの遅れは、アカデミア全体が解決に向けて取り組むべき重要な課題です。

また、女性研究者の裾野を広げるための取り組みも重要です。現状として、東京大学の学部における女性学生の比率はこの20~30年ほとんど変わらず約20%となっています。東京大学を志望する女性の数自体が少ないことが原因です。女性や他のマイノリティにとって学びやすく、働きやすい環境を築いていくとともに、女子中高生に東京大学の魅力を伝え、進学の選択肢に含めてもらえるよう、オフィスとしての取り組みをさらに強化していきたいと考えています。

東京大学は、2022年10月にJST(科学技術振興機構)の科学技術人材育成費補助事業「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(女性リーダー育成型)」に採択され、「UTokyo 男女⁺協働改革 #WeChange」プロジェクトとして、女性研究者の上位職登用および増加を目指す取り組みを進めています。このプロジェクトでは、[1]女性教員の雇用促進、[2]キャリア形成のためのスキルアップ支援、[3]マジョリティ層の意識改革の3つの柱を軸に展開しています。

本オフィスには、東京大学の各部局からメンバーが集まり、それぞれの部局が抱える多様な実情を大学全体の支援に反映させるべく活動しています。多様な視点を取り入れることで、全ての研究者が働きやすい職場環境を実現したいと考えております。

ジェンダー・エクイティ推進オフィス オフィス長 田野井慶太朗