概要ABOUT


第139回(2024年秋季)東京大学公開講座
宇宙

■開講にあたって

 東京大学の天文学の歴史は、1877年の東京大学の創立から更に遡り、その起源は江戸幕府の天文方にまでたどり着きます。幕府天文方は1684年の設置から西洋天文学を取り入れ組織を改編しながら成長を続け、日本における天文学は明治期に東京大学に引き継がれました。2027年の東京大学創立150周年へのカウントダウンが始まったいま、「宇宙」をめぐる歴史的な発見やできごとが数多く起こっています。
 宇宙は人類や自然の起源であり、人類にとって知的欲求の的となっています。また、文明や文化に多大な影響を与えてきました。2005年、探査機「はやぶさ」は小惑星イトカワに到着し観測を行い、この技術を改良した探査機「はやぶさ2」は、小惑星リュウグウから小石や砂の採取に成功し、持ち帰られたサンプルからは多くの発見がありました。東京大学大学院理学系研究科附属施設の東京大学アタカマ天文台(TAO)は、計画と建設に26年をかけ、世界で最も標高の高い天文台としてチリ北部の砂漠の山頂5,640メートルに完成しました。2024年度末にはファーストライト(新望遠鏡による最初の観測)を予定しており、宇宙の謎の解明を目指しています。ダークマターやダークエネルギーなど宇宙にはまだまだ多くの謎があり、東京大学の研究者がその解明に挑んでいます。
 現在、宇宙における知の探究や宇宙を利用した地球規模課題解決への貢献を目標とする宇宙戦略基金が創設され、産官学での革新的な技術進歩が期待されています。東京大学が世界をリードする超小型衛星プロジェクトでは、実利用に向けた技術開発と利用開拓が進められていますが、宇宙開発技術の発達により商業利用が加速し、宇宙空間とその利用に関する国内法および国際法の整備も欠かせないものとなっています。本公開講座では、宇宙を自然科学や社会科学のさまざまな分野から多面的に眺めてみます。
 本公開講座では、「宇宙の誕生」「惑星と太陽系」「宇宙探査」という3つのサブテーマのもと、9名の講師の方々が取り組んでいる研究の中の「宇宙」を紹介します。そして皆さんと一緒に、時代や分野を越えて宇宙に思いを馳せていきたいと思います。
 
2024年9月
第139回東京大学公開講座企画委員会  委員長 大越 慎一
(理学系研究科長)


第139回(2024年秋季)東京大学公開講座 「宇宙」

東京大学150周年記念事業 第3回カウントダウンイベントとの共同開催です。

開催日時・プログラム


SCHEDULE/PROGRAM
DAY1 | 宇宙の誕生
11月16日(土)
時間講義題目講師所属・職名
12:50-13:00開講の挨拶大越 慎一企画委員長/理学系研究科長
13:00-13:40「宇宙論最前線:宇宙の誕生と進化」佐々木 節カブリ数物連携宇宙研究機構 特任教授
13:50-14:30「ロケットで行く宇宙:月、そしてその先へ」小泉 宏之新領域創成科学研究科 准教授
14:40-15:20「スーパーコンピュータの中に宇宙を創る」藤井 通子理学系研究科 准教授
15:35-16:25総括討議榎本 和生理学系研究科 教授
DAY2 | 惑星と太陽系
11月30日(土)
時間講義題目講師所属・職名
13:00-13:40「日本中世の人々はどのように宇宙を眺めたか」遠藤 珠紀史料編纂所 准教授
13:50-14:30「太陽系外惑星の多様な世界」成田 憲保総合文化研究科 教授
14:40-15:20「はやぶさ2が明かした太陽系と生命の起源」杉田 精司理学系研究科 教授
15:35-16:25総括討議森山 茂栄宇宙線研究所 教授
DAY3 | 宇宙探査
12月7日(土)
時間講義題目講師所属・職名
13:00-13:40「人工知能で宇宙機システムを見守る」矢入 健久先端科学技術研究センター 教授
13:50-14:30「金星探査機あかつきがひらく惑星気象学」今村 剛新領域創成科学研究科 教授
14:40-15:20「宇宙で液体を操る」姫野 武洋工学系研究科 教授
15:35-16:25総括討議横山 広美カブリ数物連携宇宙研究機構 教授
16:25-16:35閉講の挨拶津田 敦 理事・副学長
※プログラムの変更もしくは休講する場合があります。

※オンライン配信はおこないません。すべての講座はありませんが、後日、東大TVにて視聴できますので、そちらをご視聴ください

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