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令和4年度 退職教員アルバム お疲れ様でした&ありがとうございました!

例年、年度末に退職する教員情報について東大ポータルで提供を呼びかけ、所属部局から提出があった紹介情報をウェブ上に掲載してきました。昨年度から引き続き今年度も長引くコロナ禍の影響で顔を合わせる形の送別の宴などの開催が難しくなり、最終講義もオンラインでの開催が多くなっているという現状に鑑み、「学内広報」誌面にも皆さんのお名前と写真を掲載し、先生方の大学へのご貢献を労います。長年にわたる東大での研究・教育活動、大変お疲れ様でした。

法学政治学研究科
大串和雄教授
大串和雄
比較政治
平成11年4月~
法学政治学研究科
山川隆一教授
山川隆一
労働法
昭和57年4月~※
医学系研究科
赤林 朗教授
赤林 朗
医療倫理学
平成15年6月~
医学系研究科
狩野方伸教授
狩野方伸
神経生理学
平成19年9月~
医学系研究科
小室一成教授
小室一成
循環器内科学
平成25年1月~
医学系研究科
佐々木敏教授
佐々木敏
栄養疫学
平成19年4月~
医学系研究科
神馬征峰教授
神馬征峰
国際保健
平成14年7月~
医学系研究科
中島 淳教授
中島 淳
呼吸器外科学
昭和63年10月~
医学系研究科
矢冨 裕教授
矢冨 裕
臨床病態検査医学
平成15年3月~
医学系研究科
山岨達也教授
山岨達也
耳鼻咽喉科学
平成5年7月~
工学系研究科
相田 仁教授
相田 仁
情報通信ネットワーク
昭和60年4月~
工学系研究科
池内幸司教授
池内幸司
河川工学
平成28年10月~
工学系研究科
鹿野田一司教授
鹿野田一司
低次元分子性物質
平成9年4月~
工学系研究科
鈴木宏正教授
鈴木宏正
計算機援用設計
昭和62年4月~
工学系研究科
永長直人教授
永長直人
物性理論
昭和58年2月~
工学系研究科
渡辺紀徳教授
渡辺紀徳
航空宇宙推進学
平成5年2月~
人文社会系研究科
下田正弘教授
下田正弘
インド哲学仏教学
平成6年10月~
人文社会系研究科
福井 玲教授
福井 玲
韓国語学
昭和62年4月~※
理学系研究科
小暮敏博教授
小暮敏博
鉱物学
平成8年1月~
理学系研究科
五神 真教授
五神 真
光量子物理学
昭和58年6月~
理学系研究科
武田洋幸教授
武田洋幸
発生遺伝学
昭和60年2月~※
理学系研究科
寺島一郎教授
寺島一郎
植物生理生態学
昭和63年9月~※
理学系研究科
山内 薫教授
山内 薫
物理化学
昭和60年4月~
理学系研究科
山本 智教授
山本 智
電波天文学
平成5年4月~
農学生命科学研究科
清水謙多郎教授
清水謙多郎
生命情報科学
昭和60年4月~※
農学生命科学研究科
吉田 稔教授
吉田 稔
化学生物学
昭和61年5月~※
経済学研究科
高橋伸夫教授
高橋伸夫
経営学
昭和59年4月~※
総合文化研究科
トム・ガリー教授
トム・ガリー
言語教育
平成17年10月~
総合文化研究科
石田勇治教授
石田勇治
ドイツ近現代史
平成元年4月~
総合文化研究科
加藤光裕教授
加藤光裕
素粒子論
平成3年9月~
総合文化研究科
久我隆弘教授
久我隆弘
量子エレクトロニクス
昭和61年11月~
総合文化研究科
長木誠司教授
長木誠司
音楽学
平成9年4月~
総合文化研究科
橋本毅彦教授
橋本毅彦
科学技術史
平成3年4月~
総合文化研究科
三浦 篤教授
三浦 篤
西洋美術史
平成5年4月~
数理科学研究科
稲葉 寿教授
稲葉 寿
数理人口学
平成8年4月~
数理科学研究科
齋藤秀司教授
齋藤秀司
代数幾何学
昭和57年4月~
新領域創成科学研究科
藤原晴彦教授
藤原晴彦
分子生物学
平成元年4月~
情報理工学系研究科
中田登志之教授
中田登志之
ソーシャルICT
平成27年4月~
情報理工学系研究科
森 武俊教授
森 武俊
看護理工学
平成7年4月~
情報学環
吉見俊哉教授
吉見俊哉
社会学
昭和62年7月~
地震研究所
小屋口剛博教授
小屋口剛博
数理火山学
平成3年11月~
地震研究所
山野 誠教授
山野 誠
固体地球物理学
昭和61年4月~
東洋文化研究所
髙橋昭雄教授
髙橋昭雄
アジア経済論
平成8年4月~
社会科学研究所
佐藤岩夫教授
佐藤岩夫
法社会学
平成12年10月~
社会科学研究所
グレゴリー・ノーブル教授
グレゴリー・ノーブル
行政学
平成13年4月~
社会科学研究所
平島健司教授
平島健司
比較政治
昭和57年4月~
生産技術研究所
臼杵 年教授
臼杵 年
先進機械加工学
平成29年8月~
生産技術研究所
野城智也教授
野城智也
プロジェクト・マネジメント
平成10年4月~
生産技術研究所
山中俊治教授
山中俊治
デザイン・エンジニアリング
平成25年4月~
史料編纂所
榎原雅治教授
榎原雅治
日本中世史
昭和58年4月~
史料編纂所
松井洋子教授
松井洋子
日本近世史
昭和60年4月~
定量生命科学研究所
多羽田哲也教授
多羽田哲也
神経生物学
平成6年10月~
宇宙線研究所
木村誠宏准教授
木村誠宏
低温工学
平成31年4月~
宇宙線研究所
手嶋政廣教授
手嶋政廣
高エネルギーガンマ線天文学
平成元年11月~※
物性研究所
勝本信吾教授
勝本信吾
量子物性物理学
昭和61年7月~
先端科学技術研究センター
平尾雅彦教授
平尾雅彦
ライフサイクル工学
平成8年1月~
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超高速で動き回る電子をアト※秒パルスで捉えろ! アト秒レーザー科学研究機構(I-ALFA)とは? The University of Tokyo Institute for Attosecond Laser Facility

2022年11月、総長室総括委員会の下にアト秒レーザー科学研究機構が設置されました。極めて短い時間に起こる現象を解き明かすための光源を擁する施設の実現を目指して設置された全学組織です。機構長を務める山内薫先生に、アト秒科学とは何か、機構が目指す施設の概要、今後の青写真などについて紹介していただきました。

山内 薫
アト秒レーザー科学研究機構長 山内 薫(理学系研究科教授)

電子の動きをリアルタイムで追跡

近年、レーザー技術が進展し、2018年ノーベル物理学賞につながった「チャープパルス増幅」のおかげで、フェムト秒領域の極めて短い時間幅で非常に強い光を出せるようになりました。そのフェムト秒パルスの高次高調波を発生させることによって、100アト秒を切る時間幅のパルスを出すことも可能となりました。このアト秒光パルスを使えば物質中の電子の動きをリアルタイムで追跡することが可能となるため、物質科学が大きく進展すると期待されます。

物質に光を照射すると、まず物質中の電子が動き出します。その動きは非常に速く、フェムト秒パルスを用いたポンプ・プローブ実験によってコマ撮りをしても電子はすでに動いてしまっているので、観測することはできません。しかし、アト秒領域のパルス光を用いればそれが可能となります。アト秒光パルスの波長は軟X線から極端紫外光の領域です。特に、「水の窓」と呼ばれる2~4ナノメートルの波長領域では、水が透明になるので、細胞内の微小な構造体の顕微イメージングが可能となります。先端的なアト秒レーザー光源やアト秒自由電子レーザー光源によって生成されるアト秒光パルスは強度が高く、シングルショットで顕微イメージング画像を計測することができるわけです。

アト秒科学の進展には、様々な分野のユーザーのためにアト秒レーザー光を安定に供給する光源施設が必要です。そこで構想されたのがアト秒レーザー科学研究施設(Attosecond Laser Facility: ALFA)です。ALFAでは、ユーザーがアト秒レーザー光源を利用して、様々な実験ができる環境を用意します。また、ユーザーが取得した実験データの解析やシミュレーションなどをサポートするサービスを提供します。

この構想は、東大が理化学研究所の協力を得て2008年頃に生まれました。以降、日本学術会議「学術の大型研究計画に関するマスタープラン」の重点大型研究計画や、文部科学省「学術研究の大型プロジェクトの推進に関する基本構想ロードマップ」に三度にわたり高い評価で採択されましたが、計画遂行のための予算はまだ確保されていません。今年度、ミッション実現加速化経費として運営費の一部を確保できましたが、できるだけ速やかに施設整備と設備のための予算を確保することが喫緊の課題です。概算要求によってALFAを確実に実現するために発足したのがアト秒レーザー科学研究機構(Institute for Attosecond Laser Facility: I-ALFA)です。当機構は、総長室総括委員会の下、学内9部局の賛同を得て昨年11月に発足しました。

設置場所はKEKつくばキャンパス

ALFAは全長140mほどの線形加速器をもつアト秒自由電子レーザー光源と三つのアト秒レーザー光源を擁する施設です。高エネルギー加速器研究機構(KEK)と東大が連携し、KEKつくばキャンパスに設置する方向で準備が進められています。令和6年度より施設整備費と設備費を確保できれば、速やかにALFA建設に着工し、令和8年度からユーザー利用が可能となるよう施設を整備する予定です。そして、ALFAが全国共同利用・共同研究拠点として認められることを目指します。3月には施設実現のための支援を募る目的で東大基金の寄付プロジェクトを開始しました。また、様々な分野の企業にコンソーシアム“Friends of ALFA”への参加を募る予定です。

ALFAの建物のイメージ ©東京大学建築学専攻 Advanced Design Studies
ALFAのイメージ

私は今年度で東大を定年退職しますが、4月からは特任教授としてALFAの設立に尽力します。ALFAが将来の先端研究を担う国際的リーダーを育成する場となるとともに、先端光源技術を発展させる場となるよう努力して参ります。

アトは10-18、フェムトは10-15、ピコは10-12。1アト秒とは0.000 000 000 000 000 001秒のこと。

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海外の学生と東大生がともに学ぶ1〜2週間 UTokyo GUCをご存じですか?

グローバルキャンパス推進本部が提供する海外学生向けの短期受入プログラム、UTokyo Global Unit Courses (UTokyo GUC)。東大初の全学的なサマープログラムです。海外の大学生、そして東大生も参加することができます。3年目を迎える2023年度のプログラムでは、初めて対面コースが提供されることとなりました。

初の全学サマープログラム

今年で3年目を迎えた海外学生向けの短期有料教育プログラム、UTokyo Global Unit Courses (UTokyo GUC)。世界中の学生に東京大学で行われている講義を体験してもらい、優秀な学生の獲得にもつなげたいとの思いから、東大初の全学的なサマープログラムとして2021年に開講しました。グローバルキャンパス推進本部が提供するUTokyo GUCの対象者は、海外の大学生と東大生。初年度は延べ88人、2022年度は延べ159人が受講しており、2023年度はさらに多くの受講者を迎えられることを期待しています。コロナ禍のため、これまではオンラインで開催されてきましたが、2023年度はオンラインとオンデマンドに加えて、対面でも行われます。

6月から7月に開講するのは、全部で12コース。東アジアの法の発展や現代日本政治、そして代数幾何学や人工知能まで多岐にわたる授業が英語で提供されます。プログラムは1週間(90分授業×5回)または2週間(90分授業×10回)で構成され、受講修了者にはグローバルキャンパス推進本部が発行する修了証と東大生の国際総合力認定制度の活動に認められる「グローバル・ユニット」が付与されます。この他に日本語学習クラスも3コース用意されています。

世界中に東大のファンを増やす

UTokyo GUCの特徴は、各分野の第一人者である専任教員がそれぞれの専門科目を教えるという点。日本の文化を学ぶことに焦点があてられていることが多い、他大学のサマープログラムとの大きな違いです。通常の講義と同じ、質の高い授業を経験してもらうことで、世界中に東大のファンを増やしていきたいとの期待もあります。1クラス20人くらいまでの少人数制で、ディスカッション中心の授業は、教員やクラスメイトと深く交流することができると好評を得てきました。うれしいことに、GUC受講後に東大の大学院に進学した受講生も現れ始めています。

UTokyo GUCの受講費用は、オンラインとオンデマンドコースは1ユニット50,000円、対面コースは150,000円(複数受講すると割引あり)です。東大生はこの10分の1の費用で受講できます。日本にいながら世界中の優秀な学生とともに学ぶ経験が、留学への足がかりになるかもしれません。

2023 UTokyo GUCプログラム

コース名教員
Law in Transitional East Asia松原健太郎/法学政治学研究科
Capitalism and the Senses久野 愛/情報学環
Contemporary Japanese Politicsマッケルウェイン・ケネス・盛/社会科学研究所
Dilemmas of Development in Asia佐藤 仁/東洋文化研究所
Group Theory and Its Applications伊藤由佳理/ IPMU
Science of Light岩本 敏/先端科学技術研究センター
Sustainable Urban Management栗栖 聖/工学系研究科
AI for Understanding Human Intelligence長井志江 / IRCN
Early Language Acquisition辻 晶/ IRCN
AI and Social Justice板津木綿子/情報学環
Sustainability, Social Justice and Resource Management石原広恵/新領域創成科学研究科
Writings About Japan矢口祐人/情報学環
Japanese Language Courses (3コース)

対面授業では研究体験やエクスカーションも予定されています。

世界中から優れた学生が参加するGUCを担当することは、
教員にも大変刺激的な経験です!
担当副学長・矢口祐人

矢口祐人
授業の参加者の顔が並んだZoom画面のキャプチャー
2022年にオンライン開催された、林香里教授(情報学環)による日本のジャーナリズムとメディア論の授業の様子。
「UTokyo UTC」のタイトルを冠したYouTube動画のキャプチャー
YouTubeのUTokyo GUCチャンネルでは、GUCアシスタント(TA)の学生さんによる紹介動画(画像)のほか、講師の先生方自身によるコース紹介動画も多数公開しています。

Student Voices

Ms. Ruixin Huang
Ms. Ruixin HuangUniversity of Malaya

I appreciated how the instructor provided the schedule for each day beforehand, making the whole learning process clearer. I also quite enjoyed the way we could talk to different people in different groups.

The teachers were excellent. The course content was very insightful, creative, and relevant. And my fellow classmates were thoughtful and kind, which made taking the classes very enjoyable.

Mr. Marco Lepe
Mr. Marco LepeUniversity of California, Berkeley