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山と森林の写真

書籍名

樹海をゆく 富良野・東京大学演習林の森づくり

判型など

196ページ、四六判

言語

日本語

発行年月日

2014年3月

ISBN コード

978-4903321202

出版社

東京大学演習林出版局

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学内図書館貸出状況(OPAC)

樹海をゆく

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東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林は、森林や樹木、林業に関する教育・研究の場を提供することを目的として設置されています。近年は、大学関係者だけでなく一般の方を対象に、森に親しみ森林に関する最新の知識を伝える役割も担っています。東京大学演習林は全国7か所に設置され、それぞれ教育・研究・社会連携に特長と個性を持っています。
 
その中でも、北海道中央部の富良野市にある北海道演習林は1899年 (明治32年) に創設され、現在、約22,000haもの広大な森林を管理しています。当演習林では 1958 (昭和 33) 年から 50 年以上にわたり、「林分施業法」に基づいて本格的な木材生産を伴う森林管理実験を実施しています。この演習林では、エゾマツ、カラマツ、ヨーロッパトウヒなど亜寒帯の針葉樹を植栽して育てる人工林と自然度の高い落葉広葉樹と針葉樹の混交林がその多くを占めており、そこでの「森林生態系の持続的・順応的管理」を達成するため、森林生態、森林経営、森林生態系保全の3つの研究分野において、組織的な研究教育が行われています。
 
特に、落葉広葉樹と針葉樹の混交林では、その森林の成長分に相当する量の木を伐りだし、木材生産を続けながら、森林全体としては樹種、林齢、樹木の太さの分布などを大きく変化させずに天然林の状態を維持することを目指した森林管理を続けています。
 
本書「樹海をゆく~富良野・東京北海道演習林の森づくり~」は、現在の森林が作られてきた自然条件と森林科学の科学的、技術的な背景、これまでとこれからの森づくりの進め方などについて解説したものです。学生実習の参加者に加え、学外から演習林の森林に触れようとする方々に役立つように、演習林のあちこちにある見どころについても、北海道演習林にかかわりの深い専門家が解説しています。
 
東京大学演習林出版局では、東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林という1つの附属施設が独自に運営しているユニークな出版局です。この出版局では、主に演習林の教職員や関係者が著者となった書籍、リーフレット、ブックレットなどを発行しており、各出版物の概要は演習林のウェブサイト (https://www.uf.a.u-tokyo.ac.jp/publish/) から見ることができます。現場をよく知る演習林教職員が執筆した書籍は読みごたえがあり、大学演習林に行く際に、事前にその演習林に関する書籍やブックレット、リーフレットなどをご覧いただくことで、演習林をより深く楽しむことができると思います。東京大学演習林出版局の書籍は、農学部生協、駒場生協で購入することができます。
 

(紹介文執筆者: 農学生命科学研究科・農学部 准教授 後藤 晋 / 2021)

本の目次

巻頭言
第1章 東京大学北海道演習林の天然林施業
第1節 天然林とは何か
第2節 天然林の生態学
第3節 北海道演習林の林分施業法
 
第2章 北海道演習林の森林に学ぶ
第1節 天然林を学ぶ
第2節 林分施業法を学ぶ
第3節 人と森の関わりを学ぶ
 
第3章 北海道演習林環境教育マップ
第1節 天然林の多様性に触れるコース
第2節 天然林の成り立ちを見るコース
第3節 人間と森林との関わりを知るコース
 
あとがき

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