
書籍名
新釈全訳 日本書紀 上巻 (巻第一~巻第七)
判型など
610ページ、A5判
言語
日本語
発行年月日
2021年3月25日
ISBN コード
9784065153598
出版社
講談社
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本書は、奈良時代の初め720年に完成した歴史書『日本書紀』の最新の注釈書である。
『日本書紀』の完成に至る数十年間は、古代の「日本」が姿を表した時期でもある。当時の国家は、明文化された法体系、すなわち律令による運営を基本としたが、現在条文の復元が可能な最古の律令である大宝律令は701年に制定され、718年頃からはそれを改訂した養老律令の編纂が進められた。一方、694年に最初の本格的な中国式宮都である藤原京、ついで710年には平城京が建設され、朝廷とその周辺に配された官衙からなる行政機構が整備されていった。「日本」という国号自体、大宝令において正式に定められたもので、それ以前には「倭」と呼ばれていたのは周知の通り。そうした古代国家の完成期にあって、自分たちの世界がいまこのようなかたちで在るにいたった歴史を語った書が『日本書紀』である。
当時はまだ平仮名も片仮名も生まれていない時代、書くことはすなわち漢字で書くことであった。とりわけ『日本書紀』は正格な漢文、すなわち当時の東アジア世界の共通語によって綴られている。漢文とは、個々の語や表現のひとつひとつが、読み継がれてきた中国の古典の中に典拠を持ち、その典拠の文脈を踏まえてはじめて真意が明らかになるという、高度に間テキスト的な表現方法である。したがって、『日本書紀』の語るところを十全に受けとめるには、そうした漢文的表現に対する注が必須となる。『新釈全訳日本書紀』では、平安時代から近現代に至る時代の先人たちによる『日本書紀』注釈の蓄積を踏まえ、『日本書紀』を漢文として理解することを目指した。これが本書の第一の特徴である。
そのうえで、本書は『日本書紀』を作品として読むことを重視した。従来、『日本書紀』は歴史学や国語学、音韻学等の資料として個別の記事や文章に注目されることが多く、それが全体としてどのような立場からどのような〈歴史〉を語っているのかという作品論的理解は手薄なままであった。個々の表現理解の積み重ねのうえに、『日本書紀』の語る〈歴史〉の全体像の把握を試みるのが、本書の第二の特徴である。
また、通常この類の注釈書に多く付される読み下し文を本書は持たない。これは、読み下し文も一種の訳文であるという考えに基づき、代わりに全編の現代語訳を付すことで、『日本書紀』の漢文のダイレクトな理解を示し、注を補完する方針とした。これが本書の第三の特徴である。
全体として、『日本書紀』全三十巻を上中下の三冊に分けて刊行する予定。そのうち上巻には、巻一から巻七まで、天地開闢に始まり、地上世界の完成、その最初の統治者が決まるまでの神話と、その後の初代神武天皇の即位から、崇神、垂仁、景行といった天皇たちの治世や日本武尊の活躍等を経て第十三代成務天皇に至る、国内統治の発展と拡大の物語を収める。
(紹介文執筆者: 人文社会系研究科・文学部 教授 金沢 英之 / 2026)
本の目次
凡例
巻第一 神代上
巻第二 神代下
巻第三 神日本磐余彦天皇 神武天皇
巻第四 神渟名川耳天皇 綏靖天皇
磯城津彦玉手看天皇 安寧天皇
大日本彦耜友天皇 懿徳天皇
観松彦香殖稲天皇 孝昭天皇
日本足彦国押人天皇 孝安天皇
大日本根子彦太瓊天皇 孝霊天皇
大日本根子彦国牽天皇 孝元天皇
稚日本根子彦大日日天皇 開化天皇
巻第五 御間城入彦五十瓊殖天皇 崇神天皇
巻第六 活目入彦五十狭茅天皇 垂仁天皇
巻第七 大足彦忍代別天皇 景行天皇
稚足彦天皇 成務天皇
補注 巻第一
巻第二
巻第三
巻第四
巻第五
巻第六
巻第七
校訂付記
あとがき
関連情報
書香の森 (北海道大学大学院文学研究科・大学院文学院・文学部ホームページ 2021年3月25日)
https://www.let.hokudai.ac.jp/book/19433
日本・東アジア文化学科 福田武史 准教授 共著『新釈全訳 日本書紀 上巻』が刊行されました (武蔵大学ホームページ 2021年3月25日)
https://www.musashi.ac.jp/news/eu48bl000000fhzi.html

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