『鷗外の甍』は私の第13歌集。2021年春から2025年新春まで、およそ4年間の歌の中から507首を選んで入れた。
この歌集の冒頭の頃、大学の附属図書館長を拝命した。
また、この期間には、歌集『塗中騒騒』(本阿弥書店)、『森鷗外の百首』(ふらんす堂)、『蘇る短歌』(本阿弥書店)、『世界を読み、歌を詠む』(ながらみ書房)、『サイバー社会の「悪」を考える― 現代社会の罠とセキュリティ』(東大出版)、『うたごころは科学する』(KDP) の六冊の単著を上梓した。
2024年3月で承継の教授職は65歳の定年を迎え、特任教授となった (図書館の仕事は継続中)。未だ現役の研究職にはあるが、どちらかといえば、人の研究のお世話をする仕事のほうが中心となっている。
ちょうど定年となる頃、偶然受けたCTで、リンパ腫が発見された。東大病院に入院と通院を幾度か繰り返し、治療が終わるのに八ヶ月かかった。この間、学内外の仕事は病室からオンラインでこなしたが、講演会や大会選者などいくつかはキャンセルせざるを得なかった。この場を借りてお詫び申し上げたい。なお、今は完治して普通に生活している。
集中の「鷗外守」一連で第60回短歌研究賞をいただいた。その流れで本歌集を短歌研究社から出版してもらうこととなった。短歌研究の本は、第五歌集『牧神』以来のこと。編集長の國兼秀二さん、ご担当いただいた菊池洋美さんには感謝である。
森鷗外。石原淳。北原白秋。木下杢太郎。釈迢空。南原繁。馬場あき子はじめ現代歌人たち。歌集題『鷗外の甍』は、明治から連なる皆さんへのオマージュです。長く私を支えていただき、ほんとうにありがとうございます。
『鷗外の甍』あとがきより
2025年3月1日
(紹介文執筆者: 未来ビジョン研究センター 特任教授 坂井 修一 / 2025)
本の目次
休学届
梅雨のあらくさ
夏の雛
オレステース
幸せな母
出征
悪趣味
直学拒世
三割
たけとガリレオ
二十五時
鷗外守
死びと
海境
友とするに
白秋謹呈『櫻』を購ふ
四十雀
コピー
世界とおなじ壊れもの
I 朝刊
II 葦とAI
III 伝令と薔薇
IV 新宮へ
V 鷗外文庫
猟犬
アルキメデス
しらひげ
大日越
父のふるさと
桜道中
擁腫
森の中へ
紙風船
関連情報
坂井修一教授 略歴 (東大図書館 2021年)
https://www.lib.u-tokyo.ac.jp/sites/default/files/2021-12/tenji_ryakureki.pdf
坂井修一 (Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9D%82%E4%BA%95%E4%BF%AE%E4%B8%80
受賞歴 (短歌関係のみ):
1987年、歌集『ラビュリントスの日々』で第31回現代歌人協会賞
2000年、歌集『ジャックの種子』で第5回寺山修司短歌賞
2003年、歌集『牧神』で第2回茨城県歌人協会賞
2006年、歌集『アメリカ』で第11回若山牧水賞
2007年、『斎藤茂吉から塚本邦雄へ』で第5回日本歌人クラブ評論賞
2010年、歌集『望楼の春』で第44回迢空賞
2015年、歌集『亀のピカソ』で第7回小野市詩歌文学賞
2024年、「鷗外守」(20首) で第60回短歌研究賞
書評:
歌集・歌書を読む (『熾』23巻262号 2026年1月)
https://okihome.web.fc2.com/2025/202601/202601kasyo.htm
中沢直人 評「歌集・歌書の森」 (『歌壇』 2025年11月号)
https://www.honamisyoten.com/item/kadan202511/
川本千栄 (「塔」編集委員) 評 (川本千栄 | note 2025年8月22日)
https://note.com/chkwmt/n/nca9fdb0166c8
大森静佳 評 (『現代短歌新聞』160号12-14面 2025年7月)
https://gendaitanka.thebase.in/items/113258906
書籍紹介:
新刊 歌集 (『毎日新聞』 2025年8月11日)
https://mainichi.jp/articles/20250811/ddm/014/070/017000c
新刊情報 (『ダ・ヴィンチ』web 2025年5月29日)
https://ddnavi.com/book/4862728006/

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