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赤茶とベージュの表紙

書籍名

Brill's Studies in Intellectual History, Volume: 268 The Sovereign and the Prophets: Spinoza on Grotian and Hobbesian Biblical Argumentation (『主権者と預言者たち――グロティウス・ホッブズによる神学・政治論の伝統とスピノザ』)

著者名

Atsuko FUKUOKA

判型など

444ページ、ハードカバー

言語

英語

発行年月日

2018年2月22日

ISBN コード

978-90-04-32208-0

出版社

Brill

出版社URL

書籍紹介ページ

学内図書館貸出状況(OPAC)

The Sovereign and the Prophets

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本書、The Sovereign and the Prophets: Spinoza on Grotian and Hobbesian Biblical Argumentation (『主権者と預言者たち――グロティウス・ホッブズによる神学・政治論の伝統とスピノザ』) は、2013年10月にフランクフルト大学法学部に提出した博士論文をベースに、査読を経て、オランダ王国の国際学術出版社であるブリル社から「Brill’s Studies in Intellectual History」のシリーズの一環として出版されたものである。
 
前著『国家・教会・自由――スピノザとホッブズの旧約テクスト解釈を巡る対抗』(東京大学出版会、2007年12月出版) を出発点に、その後オランダやドイツに行き来しつつ、時に、イギリス、アメリカ等に足を伸ばして研究を続けた結果をまとめたものが本書と言える。特に、前著でホッブズとスピノザ間の“対話”の焦点として浮かび上がったところのもの (「媒介者枠組」と名付けたもの) が、グロティウスらとその論敵の間の中心的争点であったことを史料に即して明らかにすることができたのがこの間の大きな収穫で、この収穫に従い全体の構想を練り直すこととなった。結果として、政教関係に加え、言論活動と検閲との関係や、自由権概念の淵源の複数性等が考察の対象に含まれることになり、前著とはかなり違う内容の著作が産まれた。宗教紛争から近代国家成立に至るプロセスにつき、その知的パズルとしての側面 (言語レベルにおける新たな環境設営の営み) に一つの光を当てることができたのではないかと期待している。
 

(紹介文執筆者: 総合文化研究科・教養学部 准教授 福岡 安都子 / 2019)

本の目次

(邦訳)

序章
第一章 「神は他者を媒介として啓示を行われた」――レモンストラント論争における媒介者問題
第二章 媒介者問題の変奏曲としてのホッブズ「主権的預言者」
第三章 政治的パラディグムとしての聖書
第四章 スピノザとユス・キルカ・サクラ
第五章 スピノザと哲学する自由
第六章 聖書の権威を巡るホッブズとスピノザ
第七章 ホッブズとスピノザの対抗の基層へ (1): 啓示の媒体
第八章 ホッブズとスピノザの対抗の基層へ (2): 神の霊
第九章 ウルリクス・フベルスと「ホッブズ主義者たち」:普遍公法 (jus publicum universale)における媒介者概念
終章 思想の交差路にて
 

関連情報

書評:
Mogens Lærke, Archives de Philosophie 82 (2019), 884–885.
 

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