東京大学教員の著作を著者自らが語る広場

白い表紙にジオメトリックなイラスト

書籍名

先端教育共創の実践と展望

著者名

森 晶子

判型など

288ページ、A5判、並製

言語

日本語

発行年月日

2026年1月20日

ISBN コード

978-4-7989-2010-8

出版社

東信堂

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先端教育共創の実践と展望

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筆者は2021年4月から、東京大学先端科学技術研究センター (先端研) に、「先端教育アウトリーチラボ」(Advanced Education Outreach lab、AEO) を立ち上げ、運営しています。
 
AEOは、次世代育成に関するワンストップ機能として、先端研独自の「異分野連携ラボ」に位置付けられ、40以上の異なる学術分野の研究者や学生たち (学生アフィリエイト) と連携し、高校までの子供たちと大学とを結び、「教育アウトリーチ」を出発点に、持続可能で発展的な、探究学習やSTEAM (科学、技術、工学、芸術及びリベラルアーツ、数学) 教育モデルの開発をめざしています。
 
探究、STEAM教育、キャリア教育等、多様な主体の参画が求められるこれからの教育には、協働をデザインし、豊かな教育機会を実現するコーディネーターが不可欠です。しかし、その動態は文脈依存的で、具体的に照射されてきませんでした。多主体共創型の教育の要となる「コーディネーター」はどうあるべきでしょうか。
 
本書は、東大先端研「先端教育アウトリーチラボ (AEO)」における筆者自身の豊富な実践経験を紐解き、エコシステムや変容的学習論等の枠組みを参照しつつ、コーディネーターに求められる役割やコンピテンシーを浮かび上がらせます。
 
「教える教師と教わる生徒」という従来の座組を越え、様々なアクターを巻き込み相互作用を促す「共創」という教育の新たな次元を切り拓く挑戦のための一冊です。
 
本書の中核となっているのは、筆者が執筆した博士学位請求論文「日本の大規模国立大学における教育アウトリーチ・コーディネーターの可視化中等教育と高等教育との互恵的な連携の構造」(2025年6月に東京大学より学位授与) です。
 
しかし本書は単なる論文の再録ではありません。筆者は20年間、東京都庁に勤務し、多様な部局を経験し、米国への留学経験を経た後に教育行政に携わりました。その後、大学に場を移し、教育現場の実践を通して、これからの教育の在り方を考えてきました。第一部では、こうした筆者の来歴やそこから生じた問題意識を示し、研究の底流となる視座を共有することを試みました。
 
続く第二部が、博士論文を基とするものです。中等教育と高等教育が連携して教育に取り組む際に、取組の推進力となる中間機能の在り方を検討したものです。なお、読みやすさの観点から原文を簡潔にまとめ直しました。そして第三部では、博士論文の研究を端緒に、より視座を広げ、今後の構想を提示しました。
 
第三部の構想は、2026年4月から、先端研内に開設した先端教育共創分野 (森晶子研究室) の活動の骨格となっています。当該構想に基づき現在、森研究室では、教育改革に関連する受託研究や行政施策・事業に対する助言、教師教育、研究指導等に鋭意取り組んでいます。
 
また本書は、2023年にUTokyo BiblioPlazaでご紹介させて頂いた、『共創する教育~皆が主役になる次世代育成の実践~』(森晶子・AEO学生アフィリエイト、デザインエッグ社) でご紹介した実践活動を、研究の観点から更に深化発展させた位置づけにもなります。併せてご高覧頂けましたら幸いです。
 
最後に、筆者の活動アイデアが萌芽的な段階から、可能性をお認め下さると共にフィールドをご提供下さり、多大なるご支援、ご協力を賜りました、先端研の先生方、職員の皆様に深く御礼申し上げます。
 

(紹介文執筆者: 先端科学技術研究センター 准教授 森 晶子 / 2026)

本の目次

はじめに
 
第一部 問題意識の形成
序 章 活動の背景
 
第二部 中等教育と高等教育の互恵的な連携への実践
第1章 本研究の射程と構成
第2章 中等教育と高等教育の連携の諸相
第3章 高校と大学の連携の現場とコーディネーターの必要性
第4章 海外大学の事例調査―オーストラリアおよびニュージーランドの大学コーディネーター―
第5章 高校に対するコーディネーターの価値
第6章 大学に対するコーディネーターの価値
第7章 コーディネーターに求められるコンピテンシー
第8章 まとめ
 
第三部 今後の展望
第9章 新たな教育の共創に向けて
参考文献
あとがき
索引
 

関連情報

先端教育アウトリーチラボ (AEO)
https://aeo.rcast.u-tokyo.ac.jp/
 
受賞歴等
公益財団法人 日本証券奨学財団 2025年度研究出版助成採択
公益財団法人 日本証券奨学財団 2023年度研究調査助成採択
公益財団法人 国際文化交流事業財団 令和5年度人物交流派遣事業採択
 
東京大学先端科学技術研究センター 第1回先端賞(先端研所長表彰)教育業績部門(2024年)
公益財団法人 日産財団 第6回リカジョ育成賞奨励賞(2023年)
 
書籍紹介:
著書紹介 (『先端教育アウトリーチ』2025巻p.26 2026年)
https://doi.org/10.69190/aeojournal.2025.0_26
 
先端教育共創の実践と展望 (『教育新聞』 2026年8月31日)
https://www.kyobun.co.jp/ad-articles/br2026083107
 
関連動画:
多主体で共創する探究・STEAM教育の可能性と発展に向けて (先端教育アウトリーチラボ(AEO)~東京大学先端科学技術研究センター~ | YouTube 2026年6月28日)
https://www.youtube.com/watch?v=D9XFoA38O1g

 

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