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東京大学所有(史料編纂所保管)「落合左平次道次背旗」の一般公開

掲載日:2016年7月22日

 史料編纂所は、2016年8月9日(火)から9月19日(日・祝)まで、国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市城内町117番地)との共催にて、国立歴史民俗博物館第3展示室特集展示「『もの』からみる近世 「戦国の兜と旗」」を開催いたします。
 そのなかで、史料編纂所が所蔵する「落合左平次道次背旗」(おちあいさへいじみちつぐせばた)を展示します。

 この背旗は、戦国時代から江戸時代初期頃にかけて作られた旗指物として、とくによく知られています。天正3年(1575)5月21日、甲斐の戦国大名武田勝頼と、織田信長・徳川家康が戦った「長篠の戦い」の直前、武田軍に包囲されていた徳川方の奥平氏が守る長篠城から脱出して、信長・家康の援軍が来ることを確認した鳥居強右衛門(とりいすねえもん)という武士を描いたとされます。
 強右衛門は、来援を確認して長篠城に戻ろうとしたとき武田軍に捕らえられ、味方に援軍が来ることを伝えたため、磔にされました。その姿に義を感じた落合左平次道次という武士が描かせて自らの旗指物にしたのがこの旗です。

 この旗は史料編纂所が購入した昭和14年(1939)以前の段階で掛軸の形になっていました。しかし旗本体や、周囲の裂地に傷みが見られたため、株式会社図書館流通センターからお寄せいただいた寄付金の一部を財源として修理を行ない、2015年度に完了しました。修理のさい、いままで掛軸であったために見ることができなかった裏面にも同様の絵柄が描かれていたことが明らかになっています。修理方針や経過、その結果明らかになったことについては、下記「保存修理完了のご報告」をご覧下さい。

 今回の展示は、立てて鑑賞できるように保存修理がなされてから初めての一般公開であり、裏面を初めてご覧いただく機会であるため注目されます。
 薄い絹地に描かれた約400年前の旗指物であるため、展示できる期間に限りがあります。原本展示は8月9日(火)から同21日(日)までの13日間と短いですが、両面に描かれた原本を鑑賞できる貴重な機会ですので、ぜひ国立歴史民俗博物館に足をお運び下さい。
 
関連URL
国立歴史民俗博物館第3展示室特集展示「『もの』からみる近世 「戦国の兜と旗」」
http://www.rekihaku.ac.jp/exhibitions/special/index.html
史料編纂所所蔵「落合左平次道次背旗」保存修理完了のご報告(史料編纂所基金)
http://utf.u-tokyo.ac.jp/2015/11/post-e50c.html
 
 

対象者: 社会人・一般 / 在学生 / 受験生 / 留学生 / 卒業生 / 企業



史料編纂所所蔵「落合左平次道次背旗」
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