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「倭寇と倭寇図像をめぐる国際研究集会」を開催

掲載日:2015年4月23日

実施日: 2015年04月20日

史料編纂所(山家浩樹所長)では、中国国家博物館(北京市)の協力を得て、「倭寇図巻」(史料編纂所所蔵)と「抗倭図巻」(国家博物館所蔵)の比較研究を行い、さらにさまざまな倭寇図像の共同研究を行っています。その成果の一端は、『描かれた倭寇―「倭寇図巻」と「抗倭図巻」―』(吉川弘文館、2014年)の図録刊行となりました。
4月20日、中国国家博物館との共同研究の一環として、国際研究集会を開催しました(参加40名)。集会ではまず、研究代表者である須田牧子助教(史料編纂所)がこの間の研究経過を報告し、ついで中国国家博物館の陳履生副館長から「版刻の使い道―明代典籍の挿絵にある抗倭図の研究―」と題して、明代典籍に描かれた倭寇図像に関する御報告がありました。残念ながら陳副館長は急遽来日が叶わず、御欠席となったため、中国科学院自然科学史研究所の黄栄光先生の翻訳・代読による発表となりました。続いて、岡山大学の遊佐徹先生に、「小説に“描かれた”倭寇―明清倭寇小説概論」と題する御報告をいただきました。中国文化史が御専門の遊佐先生は、明清期の中国小説に取り上げられた倭寇の記述や倭寇図像を紹介し、嘉靖期の強烈な記憶が読み物となり語り継がれていったこと、かかる“倭寇小説”が中国民衆の間のみならず、日本やベトナムにまで伝播し流布していったことなどを指摘されました。倭寇研究の新たな視点が提示され、その後の討論も大いに盛り上がりました。
 



会場の様子(山家所長あいさつ)

岡山大学遊佐徹教授の報告
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