ARTICLES

印刷

『梶田隆章先生ノーベル賞受賞記念講演会』および特別公開『梶田隆章先生ノーベル賞受賞』

掲載日:2016年4月7日

実施日: 2016年03月30日

 東京大学総合研究博物館と日本郵便株式会社が協働で運営するJPタワー学術文化総合ミュージアム「インターメディアテク」では、2016年3月30日に『梶田隆章先生ノーベル賞受賞記念講演会』および特別公開『梶田隆章先生ノーベル賞受賞』を実施しました。2015年のノーベル物理学賞を受賞した宇宙線研究所の梶田隆章先生の功績を広く社会に伝えるために、JPタワーホール&カンファレンスで梶田先生の記念講演会を開催し、あわせて「インターメディアテク」においてノーベル賞のメダルや梶田先生の研究成果を展示する特別公開を実施しました。

 記念講演会は「ニュートリノの小さい質量」と題し、招待者、一般参加者、企業関係者、卒業生/在学生らが参加しました。まず最初に副学長の相原博昭先生から梶田先生のプロフィールの紹介がありました。続いて登壇した梶田先生は「ニュートリノとは何か」という出発点から話を切り出し、カミオカンデおよびスーパーカミオカンデの実験を通して「ニュートリノが質量をもつことを示すニュートリノ振動の発見」にいたる研究プロセスを解説しました。大気ニュートリノの観測においてミューニュートリノ事象の数が予想よりずっと少なかったことが研究の転機となり、1998年のニュートリノ国際会議での研究成果の発表に結実しました。将来の研究として、「物質があって反物質がない」という宇宙の大きな謎を解明するプロジェクトをあげ、「ニュートリノの小さい質量」がそれを理解する鍵になることを示唆されました。最後に、基礎科学研究への若い方々の積極的な参加を呼びかけ、満場の拍手で講演会は終了しました。

 階下にある「インターメディアテク」の2階ホワイエでは、講演会実施を承けて開館時間を20時まで延長し、特別公開『梶田隆章先生ノーベル賞受賞』を開催しました。梶田先生のノーベル物理学賞メダルの公式レプリカ、賞状、ニュートリノ国際会議で発表された「大気ニュートリノ振動の解析結果を示すOHPフィルム」などが展示されています。特別開館を記念して、理事・副学長の保立和夫先生、文部科学省研究振興局学術機関課長の牛尾則文様、梶田隆章先生のお三方にご挨拶をいただきました。なお、インターメディアテクにおける特別公開は3月8日から5月8日まで開催中です。

特別公開『梶田隆章先生ノーベル賞受賞』
2016年3月8日~5月8日
http://www.intermediatheque.jp/ja/schedule/view/id/IMT0095
会場:JPタワー学術文化総合ミュージアム「インターメディアテク」
主催:東京大学総合研究博物館
共催:東京大学宇宙線研究所



梶田隆章先生ノーベル賞受賞記念講演会「ニュートリノの小さい質量」

講演会における梶田隆章先生

特別公開『梶田隆章先生ノーベル賞受賞』の展示(インターメディアテク)
アクセス・キャンパスマップ
閉じる
柏キャンパス
閉じる
本郷キャンパス
閉じる
駒場キャンパス
閉じる