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一般講演会「超新星から探る宇宙の姿と運命」を開催

掲載日:2015年4月10日

実施日: 2015年03月29日

2015年3月29日 (日)、カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU) は、一般講演会「超新星から探る宇宙の姿と運命」を弥生講堂一条ホール (弥生キャンパス内) で開催しました。超新星研究の最先端を理論的、実験的な側面から3名の研究者が紹介し、約200名の一般の方の参加がありました。

はじめに、野本憲一 カブリ数物連携宇宙研究機構主任研究員・特任教授、浜松プロフェッサーが「超新星とは」と題し、超新星の発見の歴史とその基本的な爆発のしくみをテニスボールやバスケットボールによる実演を交えて解説しました。私たちの体を形作る元素が超新星の中でどのようにして生み出されてきたのかという講義と共に、すばる望遠鏡を使って400年前の超新星のエコーの観測に成功した最新の研究例やもうすぐ起こるかもしれないベテルギウスの超新星爆発の予想図などを紹介しました。

次に、マーク・ヴェイギンズ カブリ数物連携宇宙研究機構教授による「超新星からのニュートリノ」の講演では、日本アルプス地下深くにある検出器、カミオカンデで1987年に超新星からのニュートリノをはじめて捉えた小柴昌俊 東京大学特別栄誉教授の研究を例に日本のニュートリノ研究と、自身の研究との関わり合いを紹介しました。目に見えず、捉えにくいニュートリノが超新星爆発の大部分のエネルギーを持っていく様子を解説し、近い将来起こるかもしれない超新星からのニュートリノをスーパーカミオカンデや新しい装置で捉えようとする研究の最前線について紹介しました。

最後に、鈴木尚孝 カブリ数物連携宇宙研究機構特任助教は、超新星による「暗黒エネルギー発見」に至る物語を講演しました。それは恐竜絶滅の原因となった隕石の痕跡から始まり、生物の大絶滅を起こしてきた隕石群を探す技術が超新星探査に応用され、大型望遠鏡の登場時期と重なって、2つのグループが如何に90年代後半に加速膨張宇宙を発見するに至ったかの物語でした。そして、現在進行中のすばる望遠鏡を使った宇宙探査研究や、将来の衛星計画を紹介しました。

講演終了後に行われた講師とのティータイムでは、参加者の方が3名の講演者に熱心に質問する様子も見られ、講演会は盛況の内に幕を閉じました。

関連URL:http://www.ipmu.jp/ja/node/2108



ボールを用いて超新星爆発のメカニズムについて説明する野本憲一氏

超新星爆発の際、大量のニュートリノが放出されることを説明する マーク・ヴェイギンズ氏

ティータイムで参加者からの相次ぐ質問に答える鈴木尚孝氏
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