ARTICLES

印刷

【ノーベル日記 Day5】 スウェーデン王立科学アカデミーでの一日

掲載日:2015年12月8日

実施日: 2015年12月07日

 梶田先生は、朝早くからスウェーデン王立科学アカデミーへ向かいました。ストックホルム市内は午前8時を過ぎないと明るくなりはじめないので、真っ暗な中グランドホテルを出発しました。

 スウェーデン王立科学アカデミーでは、今年のノーベル物理学賞を共同受賞したカナダのクイーンズ大学のアーサー・B・マクドナルド名誉教授や化学賞、経済学賞の受賞者とともにベイエホール(Beijer Hall)にて記者会見に臨みました。

 記者会見で、これからの物理学の展開について尋ねられた梶田先生は「私たちが明らかにしたのは、ニュートリノに質量があるということだけです。この質量があまりにも小さいため、現在の素粒子物理学の基礎となっている標準理論では説明できません。より深い理解が必要になります」と述べました。そして、ニュートリノの性質については、まだまだわからないことがあるため、今後のサドベリー・ニュートリノ天文台で行われているニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊測定や加速器を使った物理学の研究が重要になるとマクドナルド先生は付け加えました。また、梶田先生は若手研究者へ向けて、自分のようにノーベル賞に恵まれるかもしれないので、ぜひがんばって研究をしてもらえればとエールを送りました。

 夜は、梶田先生と奥様は朝食会場となったスウェーデン王立科学アカデミーにて、アカデミーが主催する夕食会に参加しました。

 また、この日、ノーベル授賞式等の行事に出席するため、五神総長や梶田先生のゲストがストックホルムに続々と到着しました。


<関連リンク>

 スウェーデン王立科学アカデミー
 ノーベル・ポスター


*【ノーベル日記】はノーベル・ウィークの期間中とその前後にお届けいたします。すべての記事はこちらからご覧になれます。



朝食、記者会見、夕食の会場として過ごしたスウェーデン王立科学アカデミー

2015年のノーベル物理学賞のノーベル・ポスター。「宇宙のカメレオン」と題して、梶田先生とマクドナルド先生の研究成果を説明しています。ニュートリノは飛んでいる間にその型を変えるため(ニュートリノ振動)、カメレオンにたとえられています。
アクセス・キャンパスマップ
閉じる
柏キャンパス
閉じる
本郷キャンパス
閉じる
駒場キャンパス
閉じる