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東京大学の女子学生がBBC主催『100 Women』全世界オンライン討論会に参加

掲載日:2015年12月11日

実施日: 2015年12月01日

東京大学の女子学生が、英国放送協会(BBC)の特集シリーズ『100 Women』のオンライン討論会に参加しました。2015年12月1日(火)に行われたこのイベントは、女性が直面する圧力や求められる期待などといった課題を世界中の女性が討論する企画で、東大からは本郷キャンパスと駒場キャンパスの10人の女子学部生・大学院生(日本人学生、中国人留学生、フィリピン人留学生)が参加しました。女子学生たちは「女性とリーダーシップ」、「女性のイメージと外見」、「男女関係とジェンダーロール」という3つのテーマに関する短いビデオをそれぞれ見た後で、自分の国における体験や社会が女性に押し付ける役割などについて討論しました。東大における討論会は、男女共同参画室と本部広報室が共同で運営しました。
 

ユンさんは「女性が男性と同じになることが男女平等ではなくて、女性が男性と同じくらいの「自由」を持つことが男女平等だ」と鋭い意見を述べました。

駒場キャンパスの討論会では、学生たちは社会における男女の役割の背後にある大切な考え方にいち早く気が付き、「身体構造が異なる男女における平等とは何なのか?」という根本的な問いを投げかけました。これは容易に答えが出る問いではありませんが、学生たちは女性が男性とまったく同じにならなくてはいけない理由はないと考えていました。女性が成功しているかどうかを判断するために男性の基準を当てはめる必要はなく、女性は自分の基準で成功を判断すればいいとの意見です。しかし現実には、学生たちは女性が成功するためにはある程度男性的にならなくてはいけないと感じているようでした。学生たちが述べた主要な考え方の1つは、選択の自由、特に自分や自分の体を表現する選択の自由でした。学生たちは、男性と女性の服装にはしばしば異なる基準が適用されていて、男性に許されるものが女性には必ずしも許されないことがあると述べていました。また、先進国における女性の地位は過去に比べてかなり向上していますが、女性はいまだに女性特有の役割を組織などに強要されていて、それが男女間の不平等を固定化しているとのことでした。

本郷キャンパスの討論会では、学生たちがリーダーシップについて討論していく中で、女性は自分の生き方を選択する自由があるべきだと述べていました。もし専業主婦として子育てをする選択をしたとしても、その選択を批判される必要はなく、同様に好きな仕事を選択するのも自由であるべきであるという意見でした。学生たちは、対人関係において女性は一般的に受身な態度を社会から期待されているので、指導的な立場にある女性は難しい選択をしなくてはならないと考えていました。もし相手が女性リーダーを認められない人であったら、その場合にのみ受身な態度をすることで適応していくことも可能ですが、学生の一部はそれでは真の男女平等の実現が妨げられる恐れがあると考えていました。学生たちは、男性が自分に自信を持っていれば、成功した女性に脅かされることなく関係性が長続きすると考えられるので、職場でもこれが応用できると述べていました。しかし、こうした問題を最も考えなくていけないのは、討論会に参加した自分たちというよりは、このような討論会に参加しようとする意識を持っていない人々だ、と学生たちは指摘していました。

本郷、駒場の各グループともに討論会の最後に、女性の人生をより良いものにするためにどのような圧力をなくすべきか、1つの具体的な圧力を例に考察しました。駒場グループが考えたのは根本的な問題で、社会が求めるジェンダーロール(性役割)を取り除くことができたなら、女性も男性も社会の期待に縛られることなく自分らしく生きることができると考えました。

本郷グループは、女性も男性もステレオタイプに縛られることのない社会を生み出すためには多様性を認めることが不可欠であり、多様性の排斥をなくすことが社会における女性の地位向上に非常に大きな影響を与えるだろうと考えました。

この討論会は2013年から続いているBBCの特集シリーズ『100 Women』が初めて企画したオンライン上の討論会で、世界中の女性たちが参加しました。世界各国の参加者たちが述べた意見は、東京大学の女子学生の意見と共通するものもあれば、その国独自の事情を反映した意見もありました。学生たちは討論会が終わる頃になると、Facebook上で自分のグループのメンバーと新しく友達になっていました。討論会の参加者だけでなく、東京大学のすべての関係者がこうした討論を続けていくことが望まれます。

関連URL:BBC 『100 Women』のウェブサイト  http://www.bbc.co.uk/100women



サヨさんは女性であることを強みと捉えようと考えています。

本郷グループは総合図書館から参加しました。

駒場グループはコミュニケーション・プラザの教室から参加しました。
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