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【ノーベル日記 Day12】 梶田先生ご夫妻が帰国の記者会見を行いました

掲載日:2015年12月15日

実施日: 2015年12月14日

 12月14日(月)夕方、スウェーデンで行われたノーベル賞授賞式に出席した梶田隆章先生が、羽田空港で帰国記者会見を行いました。会見にはいっしょに特別なノーベル・ウィークをすごした奥様の美智子さんも同席しました(司会/鈴木真二 広報室長)。

 まず、大変華やかですばらしい授賞式で、改めて賞の重みを感じた、スーパーカミオカンデの仲間たちといっしょに祝えてよかった、と授賞式を振り返った梶田先生は、その後、つめかけた報道陣からの質問に一つひとつ応じました。

 向こうで一番印象だったことを問う質問には、授賞式だったと返答し、適度な緊張のなかですごすことができました、と続けた梶田先生。奥様の美智子さんは、毎日毎日が特別で、国王にエスコートしていただいたのが夢のようだった、と語りました。

 出国時の記者会見で触れていた、式典でのふるまいを奥様からアドバイスされた件については、「一応言われたとおりにやりました」と梶田先生は微笑みながらコメント。それに対し奥様からは、「国王様の前で緊張していたので、私は全然見ていませんでした」と率直な告白がありました。奥様によれば、梶田先生は現地でたくさんの行事をこなしていくのが大変そうで、特に「ノーベル・レクチャーが終わるまでは、私の声が届いていなかったようです」とのこと。梶田先生がレクチャーの準備に没頭していた様子が窺えました。

 今後の研究に賞をどのように活かすかという質問には、受賞は受賞、研究は研究と分かれているように感じている、と梶田先生。今後の講演などでどのようなメッセージを出していきたいかという問いには、「真理の探究、自然の探求の世界は、本気で入ると非常にすばらしい世界です。こういう生き方があることを若い人たちに知ってもらえたらと思います」と、若者を研究の道に招待するような言葉を述べました。
 
 そのほか、時差ボケの有無、現地での観光体験の有無、故郷の埼玉県や出身大学である埼玉大学への思い、年末年始の予定、富山に帰省したときに食べたいもの、お土産の定番であるチョコレートの配布予定など、さまざまな質問に答えていった梶田先生。会見の終盤、「やはり重く感じます」という感想をまじえながらノーベル賞のメダルを披露した際には、絶え間ないフラッシュで会場は光の海に。最初は固辞していましたが、報道陣からのリクエストにほだされ、ご夫妻二人でメダルを手にしての撮影にも応じました。

 最後に寄せられた、自身にとっての今年の漢字を1文字で表すならば、という難問には、「前にも聞かれましたが、考えていませんでした、すいません。1文字だと……ないですね」と素直に述べた後、「2文字なら『光栄』なんですけど」と言って会見を締めくくった梶田先生。ノーベル・ウィークは終わりましたが、年末年始も講演や各種催しでスケジュールはいっぱい。先生の周囲には、ノーベル賞の光栄なる余韻がまだしばらく漂いそうです。

*【ノーベル日記】はノーベル・ウィークの期間中とその前後にお届けいたします。すべての記事はこちらからご覧になれます。



笑顔でメダルを手に取る梶田先生(ノーベル賞メダルはノーベル財団の登録商標で、その著作権はノーベル財団に帰属します。)

記者会見は終始和やかな雰囲気で行われました

報道陣のリクエストに答え、ご夫妻二人でメダルを披露しました(ノーベル賞メダルはノーベル財団の登録商標で、その著作権はノーベル財団に帰属します。)
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