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情報学環・NEXCO東日本 第2回渋滞予測チャレンジコンテストを開催 ~高速料金・ルート検索データを活用した高速道路の渋滞予測高度化への挑戦~

掲載日:2024年7月31日

 東京大学大学院情報学環とNEXCO東日本(東京都千代田区)は、渋滞予測モデルの精度を競う『第2回渋滞予測チャレンジコンテスト(以下、コンテスト)』を2024年1月31日に発表し、最終審査及び表彰式を6月27日に開催しました。
 コンテストでは、211件の応募があり、この中から精度賞10名、モデリング賞2名の入賞者を決定しました。

1.チャレンジコンテストの結果

 NEXCO東日本社から提供するデータ(交通量や渋滞の実績データ、ルート検索データ等)を基に渋滞予測モデルを開発し、2024年4月1日~5月6日の間の指定日において、予測と実績の乖離が少ないモデルを構築した上位10名の方を精度賞の入賞者として決定し、上位3名の方を表彰しました。また、入賞者の中からデータの処理方法やモデリング方針等を定性的に評価し、最も優れた渋滞予測モデルを開発した2名の方をモデリング賞として表彰しました。
<精度賞> 

 
  • ユーザーID
  • 予測精度※
  • 1位
  • tomoe
  • 0.56422
  • 2位
  • S_O
  • 0.54637
  • 3位
mameg
  • 0.54557
※予測精度とは、再現率・適合率の双方を考慮した指標であり、0~1の値をとり、大きな値ほど精度が高いことを示す
 ・再現率:実際に発生した渋滞のうち、渋滞が発生すると予測できた割合
 ・適合率:渋滞が発生すると予測したもののうち、実際に渋滞が発生した割合

<モデリング賞>
ユーザーID 表彰理由
tomoe 路線別・方向別にモデルを分け、交通混雑期の曜日配列、渋滞の発生パターンや発生場所を反映する特徴量を選択、設定しており、NEXCO東日本の渋滞予報士の考え方に近いモデルであった。
S_O 渋滞が起こる主な要因を朝夕や連休などの「時間的要因」と観光地の近さや上り坂などの「地理的要因」と考え、ドラぷらルート検索データの普通車の割合や、トラフィックカウンターの渋滞傾向から分類したグループを特徴量として設定するなどの工夫が見られたモデルであった。
2.今後の予定
 コンテストで入賞した渋滞予測モデルを分析し、お盆や年末年始など他の交通混雑期への適用や他路線への展開等さらなる渋滞予測の高度化に取り組むとともに、実用化に向けてデータクレンジングの自動化や社内システムとの連携、高精度でタイムリーな渋滞予測情報の提供について、共同研究を通して検討を進めていきます。
 
3.審査員
 東京大学大学院 情報学環 教授 越塚 登
 東京大学大学院 情報学環 准教授 澁谷 遊野
 モビリティジャーナリスト 楠田 悦子
 NEXCO総研 交通環境研究部 交通研究担当部長 (シン) (ジャン)
 NEXCO東日本 管理事業本部 本部付部長 中西 規祥
 
4チャレンジコンテストとは
 東京大学大学院情報学環とNEXCO東日本において、2011年に締結した『情報社会基盤に関する研究協力協定』に基づき契約した「データ利活用の取り組みに関する共同研究」の一環として開催しました。

*本コンテスト開催の詳細は、以下をご覧ください。
2024年1月31日News「第2回渋滞予測チャレンジコンテストの開催  ~高速料金・ルート検索データを活用した高速道路の渋滞予測高度化への挑戦~」 
 ・プレスリリース文:第2回渋滞予測チャレンジコンテストの開催(結果)
 
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