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海の見える杜美術館所蔵「岩倉具視関係史料」デジタル画像のWeb公開

掲載日:2022年10月3日

 このたび、海の見える杜美術館(広島県廿日市市)が所蔵する「岩倉具視関係史料」の画像(モノクロマイクロフィルムスキャン画像データ)を、史料編纂所のデジタルアーカイブズを通して、Web公開することになりました。

 岩倉具視(1825・文政8-1883・明治16)は、幕末維新期における公家出身の政治家であり、「維新の三傑」と称される西郷隆盛・大久保利通・木戸孝允とともに、明治維新を成し遂げた「元勲」の一人とされています。

岩倉具視(国立国会図書館「近代日本人の肖像」を一部加工)
<岩倉具視(国立国会図書館「近代日本人の肖像」を一部加工)>
 

 現在、岩倉具視に関する文書の主要部分は、海の見える杜美術館のほか、京都市歴史資料館、国立国会図書館憲政資料室、国立公文書館、京都府立京都学・歴彩館などの所蔵機関に分散して保存されています。
 今回画像をWeb公開する海の見える杜美術館所蔵「岩倉具視関係史料」の総数は約1,700点で、幕末から明治にかけての岩倉具視宛の書翰を中心に、維新政府における政務処理の過程で残された公文書原本など多数の貴重史料で構成されており、2013年には国の重要文化財に指定されました。


<海の見える杜美術館所蔵「岩倉具視関係史料」の全容(同館ホームページより)>

 2019年度から、史料編纂所と海の見える杜美術館は研究協力関係を結び、日本学術振興会(JSPS):科研費・基盤研究(B)「明治太政官文書を対象とした分散所在史料群の復元的考察に基づく幕末維新史料学の構築」(研究代表者:箱石大・史料編纂所教授)や、鹿島学術振興財団研究助成「明治太政官の官員旧蔵文書群に含まれる政府関係文書の史料学的研究」(代表者:同前)の助成を受けて、同館所蔵「岩倉具視関係史料」の調査・研究を進めてきました。現在は、未整理分を含む史料群全体のカラーデジタル写真撮影も開始しています。
 さらに史料編纂所では、2019年度に日本学術振興会「人文学・社会科学データインフラストラクチャー構築推進事業」(JPJS00319217592)の拠点に採択されたことを契機に、史料情報の共有・利活用促進を目的として、他機関との連携による史料画像の公開に積極的に取り組んでおり、今回の海の見える杜美術館所蔵「岩倉具視関係史料」画像のWeb公開もこうした事業の一環として位置づけられるものです。

 今回Web公開した海の見える杜美術館所蔵「岩倉具視関係史料」の画像は、史料編纂所が公開しているデータベースの「Hi-CAT Plus」(ハイキャット・プラス)というデジタルアーカイブズを通して、検索・閲覧することができます。その目録データは、佐々木克・藤井譲治・三澤純・谷川穣編『岩倉具視関係史料』上・下(思文閣出版、2012年)のデータを、編者と出版社の了解を得て活用したものであり、同書の巻・文書番号を注記欄に記載して(同書未収録のものは注記の表示なし)、利用者が容易に相互対照できるようにしています。なお、所蔵機関である海の見える杜美術館の画像利用規程は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの表示4.0国際(CC-BY 4.0)と互換性がありますので、これに準拠して利用することが可能です。
 

<Hi-CAT Plusデータベース検索画面>

 <海の見える杜美術館所蔵岩倉具視関係史料の画像表示イメージ>

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