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シンポジウム「人文・社会科学とインフラ化する研究データ」を開催

掲載日:2022年1月6日

  令和3年10月29日(金)13時より、今年度の国立大学附置研究所・センター会議第3部会(人文・社会科学系)シンポジウム「人文・社会科学とインフラ化する研究データ」を開催しました。新型コロナウイルス感染症対策のため、報告者・司会など関係者のみが東京大学史料編纂所内の大会議室に集合し、そこから配信するオンライン形式での開催となりました。
 今回のシンポジウムでは、人文・社会科学における「データ」とそのインフラ化についての実践的な取り組みに焦点をあて、それらがもたらす影響や研究を取り巻く条件の変化などの課題について議論するために、現在進行中の日本学術振興会(JSPS)人文学・社会科学データインフラストラクチャー構築推進事業の拠点機関に所属する3名の方に報告をお願いしました。
 東京大学齊藤延人理事・副学長(研究担当)による挨拶の後、一橋大学経済研究所の田中雅行准教授から「人文学・社会科学データインフラストラクチャー構築推進事業における一橋大学の取り組みについて」という題で報告が行われました。一橋大学社会科学統計情報研究センターでは長期間をカバーする政府統計データや調査票情報等メタデータのデータベース化・英語化が進められており、その公開に至るまでの具体的な取り組みについて紹介して頂きました。
<田中報告>


 次に東京大学社会科学研究所の三輪哲教授から「社会科学におけるデータ共有と二次分析」という題で報告があり、社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センター(CSRDA)のSSJデータアーカイブの活動状況や、社会科学における研究データの調査票等による収集・処理・データファイルの生成・報告への流れの紹介、既存データによる二次分析研究の動向、データアーカイブのシステム強化への取り組みなどについて具体的に述べられました。
<三輪報告>


 最後に東京大学史料編纂所の山田太造准教授が「デジタル化された日本史研究資源のゆくえ」という題で報告されました。人文学研究においてもデータベースの利活用は必須となっており、史料編纂所におけるデータの収集・蓄積・公開の取り組みのほか、歴史史料から得られる人名・地名等の各種データをAIによる分析や機械学習が可能となるように整備することで、データ駆動型日本史研究基盤の構築を目指す現状についてご報告頂きました。
<山田報告>


 その後、東京大学史料編纂所の箱石大教授がディスカッサントとして加わり、報告者3名をパネリストとして討議が行われました。はじめに報告者からそれぞれ補足説明が行なわれた後、シンポジウム参加者からオンラインで寄せられた質問が順次紹介され、社会科学データベースの今後の方向性や、人文系機関との連携、データの取り扱いや利用条件などの問題点について報告者より回答頂きました。
 オンライン開催となった本シンポジウムには、161名もの方がご参加下さり、質問なども多く寄せられ、盛会のうちに東京大学史料編纂所の本郷恵子所長(本年度第3部会長)からの挨拶をもって閉会となりました。
 

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