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2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた受動喫煙対策に関する国会議員アンケート 日本が禁煙のおもてなしを披露する時

掲載日:2019年2月8日

より強力な受動喫煙対策が求められる日本
より強力な受動喫煙対策が求められる日本
我が国は、多くの健康指標で高い水準を達成している一方で、タバコ対策については世界的に遅れをとっています。
Image source Pixabay.com CC0

我が国は、多くの健康指標で高い水準を達成している一方で、タバコ対策については世界的に遅れをとっています。2020年には、東京でオリンピック・パラリンピックの開催が決まりましたが、WHO(世界保健機関)とIOC(国際オリンピック委員会)の間では、全てのオリンピック・パラリンピック開催都市では“スモーク・フリー”を目指すことで合意されており、日本でもこの機会に禁煙対策が進むことが期待されています。

このような流れの中、我が国の禁煙対策に関する見解を問うために、2018年2月、東京大学大学院医学系研究科の野村周平助教らは衆・参全ての国会議員を対象にアンケート調査を実施しました(合計707名)。回答率はわずか18%以下でした(回答率は政党によって大きく異なり、自民党では7.9%(407名中32名)、野党全体では34%(206名中70名))。

アンケート結果からは、「受動喫煙と肺がん・心血管疾患には関連がある」「分煙対策では受動喫煙による健康被害を防ぐには不十分である」という質問についてほぼ全ての議員が「知っていた」と回答しており、受動喫煙がもたらす健康被害や効果的な受動喫煙防止対策については知識を有していることが明らかになりました。

一方で、受動喫煙を防ぐために取るべき対策を尋ねたところ、55%は「敷地面積に限らず、レストランやバーでは完全禁煙にするべきだ」と回答した一方で、おおよそ25%は「敷地面積によって、禁煙・分煙・喫煙を分けるべき」との回答であり、必ずしも科学的根拠に基づいた政策ではないオプションでも仕方がないと考えている議員も一部いることが明らかになりました。背景には、歴史的に特に自民党ではJT(日本タバコ株式会社)と深い関係にあることが指摘されており、このような産業界との関係性や業界からの圧力によって議員がより効果の弱い政策を推進している可能性があります。

受動喫煙対策を強力に推進することが国民の健康水準に寄与することは明らかであり、オリンピック・パラリンピックの日本開催という好機を捉えて、より強力な受動喫煙対策を進めるよう政治のリーダーシップが発揮されるべき時です。

「日本国民の健康を保護するという喫緊の必要性に加えて、来たる東京オリンピック・パラリンピックという好機をとらえて、完全なスモーク・フリーを実現し日本人のおもてなしの心を見せる時です」と野村助教は話します。

論文情報

Shuhei Nomura and Haruka Sakamoto with Yusuke Tsugawa, Naoko Iwanaga, Seiichiro Kuchiki, Ichiro Kawachi, Kenji Shibuya, "The 2020 Tokyo Olympic & Paralympic Games: time for Japan to showcase smokefree hospitality," Tobacco Control: 2019年1月20日
論文へのリンク (掲載誌別ウィンドウで開く)

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