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東大が出展する科学展示会サイエンスアゴラ、まもなく開催 最先端の科学技術が体験できる展示「ヒトの未来、未来のヒト」

掲載日:2019年11月11日

科学技術の絶え間ない進歩によって、世の中は大きく変わっています。科学技術がもたらす環境の変化に対して、私たちは自らの生活をどう変えていきたいのでしょうか?あるいは変わってほしくないのでしょうか?

東京大学は、2019年11月16日と17日、国内最大級の科学コミュニケーションイベント、サイエンスアゴラにブース出展し、最先端の科学技術研究を実際に体験しながらこのような問いについて考えるユニークな機会を提供します。

サイエンスアゴラの今年のテーマは「Human in the New Age -- どんな未来を生きていく? --」。東京大学広報戦略本部では学内の4つの人文系・科学系研究室と協働し、「ヒトの未来、未来のヒト」というテーマで様々な研究を展示します。

2019年11月16日と17日に開催されるサイエンスアゴラの東京大学のブースでは、360度の立体映像として記録された過去の科学館の展示をVRで体験できる © 2019 東京大学

先端科学技術研究センター身体情報学分野の稲見・檜山研究室は人間の身体的、地理的、時間的制約を緩和し、また自在にコントロールできる技術を研究しています。会場では、360度の立体映像として記録された過去の科学館の展示を、解説員の説明を聞きながら体験できるVR(バーチャル・リアリティ)技術や、植物の細胞など非常に小さなものを見ながら実際に触ったような感覚が音と触覚で得られる指先装着型顕微鏡装置の体験ができます。どちらも、人の身体を拡張し、身体の可能性を広げる研究の一環です。

工学系研究科の川原研究室からは、開発中のワイヤレス充電技術を紹介。中にいるだけで自然に電子機器が充電できる部屋のドール・ハウスサイズの模型を展示します。実用化されれば、スマホでもPCでも、充電が切れるたびに電源を探す必要がなくなります。

同じく工学系研究科でウェアラブルデバイスの研究を行う染谷研究室からは、Xenomaスーツを体験展示します。ダイビングスーツのように肌に吸いつくタイプのスーツにはセンサーが埋め込まれており、来場者は服を着るだけでモニター上のアバターと連動して簡単なゲームに参加できます。人々が自分の生体情報を簡単にモニターできるデバイスを作り、セルフケアに結びつけることが研究の目標です。

さらに今回東大では、これらの工学系研究について「哲学」の観点を入れて考えます。担当するのは共生のための国際哲学研究センター(UTCP)。

センター長の梶谷真司教授率いるUTCPメンバーは、今回二つの展示を企画。一つ目はUTCPが行っている「当事者研究」のパネル展示。当事者研究とは、障害を持つ方々に、困りごと、生きづらさについて語ってもらい、仲間たちとその人らしい対処方法を考える試みです。

そしてもう一つは、アゴラの東大ブースで展示する工学系研究に関連して、人間と技術がどう共生していくべきか問いかけるというもの。来場者に出してもらった問いや答えのアイデアを、葉っぱ状の紙に書いてもらいパネル上の木に貼っていきます。「二日間の展示の間にいろんな葉っぱのついた大きな木になったらいいなと思っています」(梶谷先生)。

サイエンスアゴラ(入場無料)は11月15日から17日まで東京都江東区で開催。展示ブースやワークショップを含む140のプログラムが実施されます。初日の15日は日本科学未来館で開幕セレモニーや基調講演が行われます。東京大学は、16日と17日、東京テレコムセンター5Fでブース出展します。広報戦略本部のほか、生産技術研究所も5Fにブース出展します。両日とも、10時から16時半まで、出展ブース番号518でお待ちしています!サイエンスアゴラHP: https://www.jst.go.jp/sis/scienceagora/

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指先装着型顕微鏡MagniFingerでは音、触覚などのフィードバックを使って指先に返すことでより小さなものを見ながら実際に触ったような感覚を再現できる © 2019 東京大学
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無線給電機能のある部屋が普及すると、電子機器は電源がなくても自然に充電されるように。私たちの暮らしはどう変わる?© 2019 東京大学
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ダイビングスーツのように肌に吸いつくタイプのスーツにはセンサーが埋め込まれている © 2019 東京大学
 

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