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統合失調症における社会機能障害への大脳皮質下領域の関与を発見 神経回路のかなめである視床体積の低下が関連

掲載日:2018年12月10日

大脳皮質下領域構造のMRI水平断面図
大脳皮質下領域構造のMRI水平断面図
© 2018 越山太輔

東京大学大学院医学系研究科精神医学分野の越山太輔大学院生、笠井清登教授、大阪大学大学院連合小児発達学研究科の橋本亮太准教授らの研究グループは、磁気共鳴画像法(MRI)を用いた研究により、統合失調症において、大脳皮質下領域に存在する視床の体積が健常者に比べて小さいという既知の報告を再現するとともに、統合失調症の社会機能障害に、大脳皮質下領域における神経回路のかなめである視床の体積異常が関与することを新たに見出しました。

これまでに統合失調症をもつ人で視床の体積低下がみられること、視床に脳梗塞が起きた人で社会認知機能が低下することは知られていましたが、統合失調症における視床と社会機能との関連性は明らかでありませんでした。

本研究の結果は、統合失調症を持つ当事者にとって社会生活の支障となっている社会認知機能(社会通念や文脈の理解)や日常生活技能(金銭出納やコミュニケーション能力)の障害の基盤として、視床を中心とする神経回路の機能不全が重要であることを示した初めての報告です。 これにより、統合失調症の病態解明の一助となるとともに、統合失調症の社会生活機能リハビリテーション法の開発に貢献すると考えられます。

「統合失調症の病態は未だに不明な点が多く、病態に関連する神経回路の全容解明にこれからも努めていきたい」と笠井教授は話します。

論文情報

Daisuke Koshiyama, Masaki Fukunaga, Naohiro Okada, Fumio Yamashita, Hidenaga Yamamori, Yuka Yasuda, Michiko Fujimoto, Kazutaka Ohi, Haruo Fujino, Yoshiyuki Watanabe, Kiyoto Kasai, Ryota Hashimoto, "Role of subcortical structures on cognitive and social function in schizophrenia," Scientific Reports 19;8(1):1183.: 2018年1月19日, doi:10.1038/s41598-017-18950-2.
論文へのリンク (掲載誌別ウィンドウで開く)

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