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東京大学産学連携協議会「アドバイザリーボードミーティング」を開催しました

掲載日:2018年12月5日

本学の知と産業界の知を融合し、社会にとって新しい価値を創出するためのプラットフォームである東京大学産学連携協議会の「平成30年度第1回アドバイザリーボードミーティング(ABM)」を、10月16日(火)、安田講堂大会議室にて開催しました。
 
本学からは、五神真総長、各理事及び渡部俊也産学協創推進本部長ほかが出席し、産業界からは、ダイキン工業株式会社 取締役会長兼グローバルグループ代表執行役員 井上礼之 氏、株式会社日立製作所 取締役会長 執行役 中西宏明 氏を迎え、また、一般社団法人日本経済団体連合会 産業本部長 吉村隆氏にお越しいただき、活発な意見交換を行いました。
 


議事に先立ち、渡部産学協創推進本部長より社会との連携、産業界との連携を一緒に行う方針としたことから社会連携本部との共催であることの説明がありました。
 
五神総長は、「東京大学の国際戦略、データ利活用と産学協創」をテーマに、東京大学の取組を紹介しました。具体的には、
・激動する世界情勢及びデジタル革命が進む中で大学の役割が重要であり、その役割を果たすための取組として、本学の未来社会協創推進本部(Future Society Initiative)の基にSDGsを活用して本学が行っている各プロジェクトを部局横断的・分野横断的な活動として可視可したこと。
・本学の新グローバル戦略として研究力強化による国際求心力向上、学生の国際展開力強化、国内外のグローバル企業との連携、地政学を踏まえた大学間連携、財源基盤の強化と国際化を進めていること。
・学術ネットワーク(SINET)を有効活用し、新しいデータ活用型のビジネスを日本で開発できるのではないかという構想をもっていること。
・産学協創を強化するため、学内にインキュベーション施設を拡充中であり、同時に組織対組織の連携のために産学協創研究ハブを整備しており、また、柏第IIキャンパスには産業技術総合研究所との共同施設等を次々に誘致し急速に展開している状況であること。
・大学の役割も大きく変わってきており、若い世代を育てつつ、大学はこれから色々な価値創造の場になっていくべきであり、産業界との連携を新しい時代にあった形に展開しているので、是非大学を活用してもらいたいこと。
を述べました。
 
続いて羽田正理事が、学生の国際展開力強化の紹介として、本学の学生が国際的視野をもち世界の人たちと一緒になって働く能力をつけさせる国際総合力認定制度、グローバルリーダー育成ためのトライリンガルプログラム、今後実現予定の東京大学―北京大学東アジア学ジョイントプログラムについて、相原博昭大学執行役が、SINETを利用した産学連携のためのデータ活用社会創成プラットフォーム構想について、藤井輝夫社会連携本部長が、財源基盤の強化の一例として、未来社会協創事業を様々に展開していくため未来社会協創基金の設立について、それぞれ説明を行いました。また、渡部俊也産学協創推進本部長が、米中関係と輸出管理の動向、東大ベンチャーエコシステムの投資資金について、補足説明を行いました。
 
産業界からは、SINETについて、「公的なデータプラットフォームとしてデータを利活用する産学連携の加速による好循環を実現できることが重要。その際、データ利活用の面で知的所有権・使用権・対価等の課題も多義・多様にわたるが、検討が遅れている官庁も巻き込んで是非実現してほしい」、国際連携について、「海外で展開する際に、文化、歴史、宗教の違い、その国から見た日本と日本が考える日本と違うことを知ることを学生の教育として行うことは重要」、「未来のリーダーとなる学生を短期的に産業界の海外拠点に受入れることに関し、各拠点を活用するというのは興味深く、意義のある連携」、「米中間の問題は困難な局面を迎えているが、中国の動きを見極めアカデミックなネットワークを利用して、日本全体で高度かつ戦略性を持って進めていく必要がある」、FSI基金について、「基金の設立には先々の展望、何に役立つ基金なのかはっきりさせてアピールすることが重要」、産学協創については、「組織対組織の産学協創を進めるためには長期的な構想で社会の将来に役立ビジョンを産学が描けるか、実行できるか、お互いに相手の立場に立って、どれだけ犠牲が払えるかという姿勢で双方の将来にどのようにつなげるかが大切」、「相互の人材交流を活発に行い、外部技術を導入する時にそれを受け止めるインターフェース役の人材やその技術を理解して事業に繋げていく人材などいわゆる「つなぐ人材」の育成が大学企業双方で必要」などの期待や意見が出されました。

   
 
最後に、福田裕穂理事から、産業界から見た世界事情、本学が企業の海外拠点を学生のために使うことも可能等の貴重な意見に感謝するとともに、国際的にきちんとした立ち位置を日本が持つよう本学としても努力をしていくので、今後ともご協力をお願いしたい旨、挨拶がありました。
 
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