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市河三喜、東条操などによる手書きの回覧雑誌『博物之友』を公開 東京府第一中学校の生徒達による昆虫や動植物など自然に関する貴重な雑誌のデジタル化

掲載日:2020年3月17日

明治33(1900)年、東京府第一中学校(翌年、東京府立第一中学校に改称)に在学していた市河三喜(1886-1970, 英文学者・東京帝国大学名誉教授)は、学友たちと日本博物学会をつくり、手書きの回覧雑誌『博物之友』(全8号)を発行しました。
今年度、市河三喜先生のご親族である長谷川三千子氏からこの雑誌全号の寄贈を受け、本学柏図書館の貴重書として所蔵することになりました。
また、学内の貴重な学術資産のデジタル化を推進する東京大学デジタルアーカイブズ構築事業の一環として『博物之友』のデジタル化を行い、この度インターネット上で公開する運びとなりました。

当時の中学生たちが、昆虫や動物・植物など自然に関する様々なことについて、みずみずしい感性で編集をしている雑誌です。また8号すべてが手書きで作成されており、動植物を緻密に描いたイラストもふんだんに挿入されています。
明治時代の青年たちの学術への熱意を感じられる貴重な雑誌です。どうぞご覧ください。

『博物之友』公開サイトについて

アクセス方法1:以下のURLへアクセスしてください
 https://iiif.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/repo/s/hakubutsunotomo/

アクセス方法2:東京大学附属図書館ウェブサイトからもアクセスできます
 https://www.lib.u-tokyo.ac.jp/
 → 附属図書館ウェブサイトの「コレクション」 をクリック
 → 【柏図書館】博物之友  をクリック

公開記事について
市河三喜先生、村松(東条)操先生のほか、多くの青年達が記事を執筆していますが、今回は著作権継承者からデジタル公開の許諾が得られた記事、著作権保護の対象ではない記事のみを公開しています。一部の記事は非公開としていますので、ご了承ください。
また、画像の二次利用の条件は記事によって異なっています。ご利用の際は必ず各利用条件をご確認ください

『博物之友』について

  • 創刊第1巻第1号は、明治33(1900)年5月25日に発行されました。終巻第2巻第8号は、ちょうど一年後の明治34(1901)年5月25日に発行されています。
  • 発行は日本博物学会文芸部とあり、編者として「市河三喜」と「村松操」(東条操1884-1966, 言語学者)の名前が記されています。
  • 昆虫や鉱物の分類、昆虫等の採取紀行のレポートなどのほか、「質問応答」という”Q&Aコーナー”のような記事もあります。また第2巻第6号は臨時特別号「韶光」として発行されており、市河三喜先生ほか3名の「所蔵昆虫目録」が掲載されています。
  • 市河三喜先生の著書『私の博物誌』(中央公論社, 1956)によると、「回覧雑誌は8号で打ち切り、6月から印刷に附して会員に配布することとなり、會名も「日本博物学同志会」と改めた。」とあります。なお同書によると、日本博物学同志会による『博物之友』は、その後第11巻第82号(明治44(1911)年5月)をもって終巻したこと、また日本博物学同志会の支会として明治38(1905)年に日本山岳会が設立されたことも書かれています。

関連情報

東京大学柏図書館に『博物之友』が寄贈されたことを記念し、柏図書館内で展示会が開催されています(複製による展示です)。こちらも是非ご覧ください。

第17回柏図書館企画展示「中学生、学会をつくる」
期間 2020年3月17日(火)~2020年10月(予定)
   ※休館日を除く平日9:00~21:00(8・9・3月は17時まで)
会場 東京大学柏図書館 2階 展示スペース
詳細 https://www.lib.u-tokyo.ac.jp/ja/library/kashiwa/news/20200221

柏図書館では現在、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、入館証をお持ちでない学外者の方の入館をお断りしています。詳しくは案内ページをご覧ください。
 https://www.lib.u-tokyo.ac.jp/ja/library/kashiwa/news/20200313

『博物之友』に関するお問い合わせ先

柏図書館情報サービス係
kashiwaj@lib.u-tokyo.ac.jp


博物之友第4号
第1巻第4号 市河三喜「昆虫の体色(Colors of Insect Bodies)ニ就イテ」


博物之友第1号口絵
第1巻第1号 口絵 戸田ヶ原採集隊 一行


 

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