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Financing natureの発表について Financing nature: a transformative action agenda

掲載日:2023年12月7日

アラブ首長国連邦のドバイで開催中の国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)において、「Financing nature: a transformative action agenda」と題するディスカッション・ペーパーが発表されました。

東京大学理事、グローバル・コモンズ・センターのダイレクターである石井菜穂子教授を中心に、世界的に著名な専門家や実務家によって執筆された本ディスカッション・ぺーパーは、地球の自然システムが安定的に機能する限界を超えている問題をカタログ化すると同時に、政策環境の転換、ビジネスモデルの提案、金融イノベーションの活用によって、自然保護に資本を動員するための緊急かつ体系的な行動をとる必要があることを訴えています。

本ディスカッション・ぺーパーは、経済システムが自然の価値を十分に評価しないために、私たちが「自然の崩壊」を経験していると述べており、自然資源の保護、回復、持続可能な利用が著しく資金不足に陥っていることを指摘しています。これとは対照的に、自然に対して害をなす補助金は、自然にプラスとなる投資よりも4倍近く多く融資を受けていると述べられています。

流れを変え、私たちの経済と自然との関係を再構築するためには、世界生物多様性枠組み、パリ協定、持続可能な開発目標を実現するために、5つの行動分野にまたがる官民協調の行動が必要です。本ディスカッション・ぺーパーは、ブラジルのベレンで開催されるCOP30までの2年間に策定される野心的なアジェンダを支持するよう、指導者たちに呼びかけています。

追加的な資金需要は年間約4,000億ドルと推定されるますが、既存の資本を有害な活動から切り離すことも不可欠です。自然金融は、自然の保全と回復という「自然への」資本を増やすだけでなく、農業、漁業、林業、鉱業、インフラストラクチャーを自然にプラスになるような方向にシフトさせるという「自然のための」資本を増やすべきです。本ディスカッション・ペーパーは、自然損失のセクター横断的な要因に取り組む「経済全体へのアプローチ」を求めています。

ディスカッション・ペーパーの全文および要約文書は下記よりダウンロードいただけます。

 


ディスカッション・ペーパーの主要メッセージ
お問い合わせ

国立大学法人東京大学未来ビジョン研究センター
グローバル・コモンズ・センター
Email: info.cgc[at]ifi.u-tokyo.ac.jp
*上記メールアドレスの[at]は@に置き換えてください。
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