「資本市場と公共政策」シンポジウム 金融商品の販売とフィデューシャリー・デューティ

開催趣旨
日本では1700兆円に上る家計金融資産のうち、その半数以上が現・預金という形で運用されぬまま眠っています。しかし、日本経済が成熟した今、個々人の資産形成と我が国の持続的成長を両立させるには、これらの資産を、日本を含めグローバルに分散投資し、新興国を始めとする世界経済の成長の果実を家計に取り込むとともに、国内での成長マネー供給を図っていくことが求められます。
このため、個々人がそれぞれのライフサイクルを踏まえた適切な形で金融資本市場に参加するための環境が必要です。中でも、個人が金融商品を購入する際の窓口である金融機関の役割は小さくありません。
こうした環境づくりに向け、金融機関はいかなるプリンシプルに則って行動すべきでしょうか。このプリンシプルとして、今、自らを信じ財産等を託す者に対して、その信認に応える義務―「フィデューシャリー・デューティ」―が注目をされています。そこで、金融商品の販売の場面におけるフィデューシャリー・デューティをいかに考えるべきか、各界の英知を集めて議論します。
プログラム(敬称略)
15:00-15:10 開会挨拶
飯塚敏晃 東京大学公共政策大学院 院長
15:10-15:40 基調講演I
神作裕之 東京大学大学院法学政治学研究科 教授 「金融取引とフィデューシャリー・デューティ-法的観点からの検討」
15:40-16:10 基調講演II
中島淳一 金融庁総務企画局審議官 「金融行政におけるフィデューシャリー・デューティの議論」
16:10-16:20 休憩
16:20-18:00 パネルディスカッション
(パネリスト:五十音順)
・小野 傑 西村あさひ法律事務所 弁護士、東京大学大学院法学政治学研究科客員教授
・神作 裕之 東京大学大学院 法学政治学研究科 教授
・楠 雄治 楽天証券株式会社 代表取締役社長
・幸田 博人 みずほ証券株式会社 代表取締役副社長
・中島 淳一 金融庁 総務企画局 審議官
・樋口範雄 東京大学大学院 法学政治学研究科 教授
(司 会)
・今泉宣親 東京大学公共政策大学院 特任准教授
