不確実性を高めるエネルギー安全保障と地球温暖化をめぐる国際情勢
開催趣旨
中東情勢、ロシア・ウクライナ情勢等、地政学的リスクの増大により、国際エネルギー情勢の不確実性が高まっている。この結果、パリ協定以降、温暖化防止に大きく軸足を置いてきた各国のエネルギー政策においてエネルギー安全保障が最重要課題として再浮上している。他方、1.5°C安定化、2050年カーボンニュートラル目標から逆算したありうべきエネルギー転換の絵姿と現実とのギャップが拡大している。野心的なエネルギー転換はエネルギーコストの上昇を招き、政治・経済・社会的な持続可能性を難しくする可能性がある。加えて欧州議会選挙、米大統領選等がエネルギー、温暖化をめぐる国際環境にも及ぼす影響も不透明である。脱炭素化という大きな流れの中で、各国は自国の国情に応じ、エネルギー転換に伴うコストを最小化する形で「多様な道筋」を追求している状況にあり、日本でも第7次エネルギー基本計画の策定を巡る議論が開始された。本シンポジウムではエネルギー安全保障、1.5°C目標を中心とした脱炭素化をめぐる国際情勢を俯瞰し、日本のあるべきエネルギー戦略の方向性への示唆を得ることを目的とする。プログラム
13:00 - 13:10 | オープニング | 川口大司 東京大学公共政策大学院院長 |
13:10 - 13:20 | 来賓挨拶 | 橘高公久 (株)INPEX特別参与 / (株)INPEXソリューションズ専務取締役 |
13:20 - 14:50 | 第1セッション:不確実性をます世界のエネルギー安全保障状況 |
<基調報告+モデレーター> 小山堅 日本エネルギー経済研究所専務理事 / 東京大学公共政策大学院客員教授 |
14:50 - 15:00 | コーヒーブレイク | |
15:00 - 16:30 | 第2セッション:1.5°C目標の実現可能性 | <基調報告+モデレーター> 有馬純 東京大学公共政策大学院特任教授 <パネリスト> インドラジット・ボース サード ワールド ネットワーク 気候変動シニア リサーチャー ロジャー・A・ピールケ・ジュニア 米国コロラド大学 ボルダー校 教授 本部 和彦 東京大学公共政策大学院客員研究員 |
16:30 - 17:00 | ラップアップ: 不確実性の下で日本のめざすべきエネルギー戦略の方向性 | 小山客員教授、有馬特任教授によるトークセッション |