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特別展示『からだのかたち2——東大医学解剖学掛図』

掲載日:2021年7月14日

基本情報

区分 展示
対象者 社会人・一般 / 在学生 / 受験生 / 留学生 / 卒業生 / 企業 / 小学生 / 中学生 / 高校生 / 大学生 / 教職員
開催日(開催期間) 2021年7月21日 — 2021年12月12日
開催場所 その他学内・学外
会場 インターメディアテク [MODULE]
東京都千代田区丸の内2-7-2 KITTE2・3F
アクセス:JR東京駅丸の内南口徒歩約1分、東京メトロ丸ノ内線東京駅地下道より直結、千代田線二重橋前駅(4番出口)より徒歩約2分
時 間:11時-18時(金・土は20時まで開館)
  *時間は変更する場合があります
休館日:月曜日(月曜日祝日の場合は翌日休館)、年末年始、その他館が定める日


※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、以下の来館者へのお願いを事前にご確認の上、ご来館いただきますようお願いいたします。
[1] 入館の際はマスクの着用、咳エチケット、手洗いや手指消毒にご協力ください。
[2] 入館時に検温を実施させていただきます。37.5度以上の発熱が確認された場合、ご入館をお断りさせていただきます。
[3] 過去2週間以内に感染が引き続き拡大している国・地域への訪問歴がある方は、ご来館をお控えください。
[4] 館内では他の来館者との距離をできるだけ2m取るように心がけてください。
[5] 館内ではお静かにご鑑賞いただくようお願いいたします。
[6] 展示物及び展示ケース、使用を中止している機器や壁にはお手を触れないようお願いいたします。
[7] 館内の混雑状況により、入館規制を行う場合があります。
[8] 10名以上での団体・グループでの入館はご遠慮いただきますようお願いいたします。
参加費 無料
申込方法 事前申込不要
お問い合わせ先 050-5541-8600(ハローダイヤル)
 東京大学大学院医学系研究科・医学部二号館の一室に保管されてきた掛図は、解剖学に関わるものだけでも総数にして700点を超える。掛図とは、板ガラス、映像フィルム、スライドから現代のデジタル画像へと至る以前の視覚的教材のひとつで、教室の黒板や壁、専用のスタンドなどに吊るされ、講義で指し示すために使われていたものである。一般の掛軸と同じく麻布をベースに表装されている。ただし、絵が和紙や絹布でなく、洋紙に描かれている点が、日本画の軸物と異なる。
 解剖学の掛図には、骨、筋肉、内臓、血管、神経、脳など、人体を構成する諸要素が手描きされている。単彩のものもあれば彩色されているものもある。
 人体解剖学の歴史は、アートとサイエンスの境界が曖昧であった時代に遡る。15世紀半ばになると、人の思考や感情は身体の形態に反映されるとする考え方がイタリアに誕生し、そのことを実証してみせるため人体解剖学の知識が必要となった。解剖学が身体を扱う医学校と、形態を扱う美学校の両方で学ばれるようになったのはそのためである。ブリュッセル生まれの解剖学者アンドレアス・ヴェサリウスが1543年に『人体の構造に関する七書』を出版し、近代解剖学の基礎を確立して以来、解剖図は医学・美術の身体模範図として19世紀後半に至るまで発展を続けてきた。
 国内では、元はドイツの解剖書のオランダ語訳本である俗称『ターヘル・アナトミア』、この和訳本として杉田玄白らが1774(安永3)年に出版した『解体新書』が西洋の近代解剖学導入の嚆矢となった。人体を古典古代の理想美に仮託しつつ表現した洋風解剖図に対し、日本の画工の描く解剖図は、西洋の人体表現を再解釈しつつ転写することで、「日本的」と形容し得る表現にたどり着いた。
 いわゆるコンテンポラリー・アートはもとより、マンガやアニメーションなどの大衆文化においても、「日本的」な人体表現が国内外で大きな注目を集めている。この現象を解説する際に、日本画の特徴のひとつとされる「平面性」が引き合いに出されることがある。しかし、この解釈において見逃されているのは、日本における近代解剖図による人体表現の存在である。掛図に残されている人体表現が、いかに今日的なものか。この問いが本展の要となる。
 連続企画「インターメディアテク博物誌シリーズ」の第七回となる本特別展示では、東京大学大学院医学系研究科・医学部所蔵の解剖学掛図を公開し、近代解剖図における人体の描画表現について再考する場として、一年を通して歴史的な手描きの掛図を約20点ずつ定期的に入れ替える。

主催:東京大学総合研究博物館
共催:東京大学大学院医学系研究科・医学部標本室 

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