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HMC第82回オープンセミナー 関東大震災と東大医学部第二外科 II

掲載日:2022年9月7日

基本情報

区分 講演会等
対象者 社会人・一般 / 在学生 / 受験生 / 留学生 / 卒業生 / 企業 / 高校生 / 大学生 / 教職員
開催日(開催期間) 2022年9月23日 17時30分 — 19時30分
開催場所 オンライン
参加費 無料
申込方法 要事前申込
こちらのZoom登録ページよりお申し込みください。 https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/meeting/register/tZ0oduGqqDstEtwD7lQoW6YQ8vUHlKOrkPJW
申込受付期間 2022年9月7日 — 2022年9月23日
お問い合わせ先 東京大学ヒューマニティーズセンター hmc-info*l.u-tokyo.ac.jp(*を@に置き換えてください)
東京大学ヒューマニティーズセンター(HMC)では定期的にオープンセミナーを行い、HMCフェローの先生方の研究成果を発信しております。今回は第82回目のセミナーとなります。ご関心ある皆様のご参加をお待ちしております。

報告者:
 赤川 学(東京大学大学院人文社会系研究科 教授)
  「東大医学部塩田外科「当直日誌」(1923) を読む」
 鈴木 晃仁(東京大学大学院人文社会系研究科 教授)
  「関東大震災と東大第二外科の患者たち」
質疑応答
 中尾 麻伊香(広島大学 准教授)
 高林 陽展(立教大学 准教授)
使用言語:日本語
主催:東京大学ヒューマニティーズセンター

概要

1923年に起きた関東大震災は、10万人前後の非常に多くの死者を出し、世界史上最大級の死亡を出したことがよく知られている。それと同時に、負傷者についても、建物の倒壊や大火災による火傷などが原因となって数多くの事例が現れた。そのような関東大震災の負傷者に対応するために、日本各地の多くの医学校の医療チームなどが全国から被害地に駆けつけて、負傷者の医療にかかわっていた。大災害は圧倒的な威力で東京や神奈川を破壊したが、それと同時に負傷者に対する医療も存在していた。

東京帝国大学医学部も東京の負傷者の医療の一つの中心部であった。その活動に関して、附属病院第二外科学教室の外科医たちがつけていた日誌や、診療された患者たちの病歴が数多く存在し現在まで保存されている。その貴重な史料を、東京大学医学部の「健康と医学の博物館」と同旧第二外科学教室(現 肝胆膵外科、心臓外科、呼吸器外科)のご協力を得て分析を始めることができた。今年の3月に行われた中間報告の講演会では、鈴木淳と鈴木晃仁が2つの報告をして、多くのコメントを頂くことができた。

9月の最終報告では、3月の中間報告と少し異なった方法で史料を読んだ作業の結果としての二つの報告が行われる。主題は、医師と患者である。赤川学の報告は、東大病院の第二外科が経験した、震災直後から2か月ほどの間に、大混乱や病院からの火災に始まり、内部での対立などを経て、通常の治療に戻っていく構造は、外科医たちの仕事がどのようなものだったかを教えてくれる。鈴木晃仁の報告は、50人を超える患者たちのカルテの冒頭に、彼ら・彼女らが経験した大震災直後の東京の姿を教えてくれるさまざまな小さなドラマが描きこまれていることに着目し、東京の各地域における地獄のような大惨事を背景に、家族の間の愛情や共同体の中での助け合いがある一方、朝鮮人と誤解された患者が受けた露骨な暴力などの事例に注目している。医師と患者が作り上げた関東大震災の姿を描くことが一つの目標である。
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