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「ディジタルとミュージアム」展(総合研究博物館)記者発表

「ディジタルとミュージアム」展(総合研究博物館)

開催要旨

  近年のコンピュータの普及は社会インフラから個人の生活空間まで、多くの分野に及んでいる。またその形態も大型のものから超小型のものまで多岐にわたり、進化の速度にもまた驚くべきものがある。現代社会はコンピュータの上に成り立っていると言っても過言ではない。実現しつつあるユビキタス社会も、インターネットを支えるコンピュータの普及なくしてはありえない。
  コンピュータがここまで普及した背景として、その能力の向上と共に、世の中のさまざまなモノ(たとえば文字、音、画像など)をコンピュータで扱えるようにディジタル情報化してきたことが挙げられる。そして、ディジタル化した情報をより多く、より早く、いつでも扱えるようにするためにコンピュータを発達させ、それがまた新たなディジタル情報化の分野とコンピュータの活躍の場を広げるという、その繰り返しが普及発達の大きな要因となったと言って良いかもしれない。
  博物館の世界にもディジタル化の波は押し寄せてきており、この技術をどのように活用するべきかが議論されている。その主たるものとしてディジタル・アーカイブ、ディジタル・ミュージアムの事例がこれまでにいくつか生まれ、当館でもその先駆けとしてさまざまな試みを行い紹介してきた。
  本展では、ディジタル技術を“時間と空間を越えて美と感動を伝える”有力な手段としてとらえ、その具体的活用事例を展示する。そしてそれ以上に、ディジタル技術活用手法の実験検証の場として本展に臨み、ディジタルであるからこそできること、ディジタルでなければできないこととして、展示内容や形態の新たな試みを、期間中にいくつか行う予定である。
  ディジタル技術は、博物資料や文化財などが持つ情報の発信手段として有効な技術である。本展を機にディジタルの面白さ、すごさを伝え、さらにこれらを通してディジタル技術を活用した新しい博物館の姿や、博物館の重要性・可能性を提示したい。

2004年9月吉日
東京大学総合研究博物館


展示の詳細

「展示品としては、ディジタル技術によってオリジナルの質感を再現した絵画や、失われてしまった絵画の再現などの実例として、国宝 源氏物語絵巻、河鍋暁斎が描いた龍の天井画などを予定しています。
また世界遺産であるバーミヤーンの大仏や壁画の画像集積検索システムや、東京大学COEの研究成果であるローマ・ポンペイの象形文化データ集積検索システムなど、いわゆるディジタルアーカイブ事例を展示紹介します。これらのうちいくつかの事例では、どのような形でディジタル技術が使われているかという解説も、映像番組などを用いて行い、来館者により深くディジタル技術の内容を理解していただく予定です。

展示品は、ディジタル技術が無ければこれまで実現不可能であった事例、もしくはディジタル技術によってこれまで以上に大きな進歩を遂げることができた活用事例を基準として選定しております。
本展示にて、これからの博物館や美術館でどのようにディジタル技術を取り入れていくかというひとつの方向性を示すことができればと考えております。」

学術とディジタル象形文化データ集積検索システムの写真

「学術とディジタル―象形文化データ集積検索システム
(東京大学 PICURE-TSS)

芸術とディジタル絵葉書から巨大竜を復元したものの写真

芸術とディジタル―絵葉書から巨大龍を復元
(日立製作所)

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