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研究成果「乳児白血病の発症機構解明」研究成果

研究成果「乳児白血病の発症機構解明」

発表概要 :

胎児期に発症する乳児白血病の約7割で11番染色体の異常が見られるが、マウスを用いた実験により、細胞増殖を促す別の遺伝子変異がさらに加わることによってはじめて乳児急性白血病が発症することが明らかになった。


発表内容 :

乳児白血病は約7割で11q23転座と呼ばれる染色体異常が見られ、胎児期に発症し、一般に予後不良である。しかし、11q23転座のみで白血病が発症するか否かを含めた発症の分子機構は不明の点が多かった。今回、東京大学医科学研究所 小埜良一 日本学術振興会特別研究員と野阪哲哉 助教授らは、マウスを用いた実験により、11q23転座にさらに細胞増殖を促す遺伝子変異が加わることによってはじめて急性白血病が発症することを明らかにした。3日付けの米科学誌ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーションの電子版に掲載される。11q23転座ではMLLという遺伝子と他の染色体の遺伝子との間で融合遺伝子が形成され、白血病の発症に関与することが知られていたが、マウスを用いて実験的に白血病を発症させるには、自己複製を促すMLL融合遺伝子の活性と、例えばFLT3遺伝子変異のような、細胞増殖を促す活性のツーステップが必要であることがわかった。 


発表雑誌 :

米科学誌ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション


用語解説 :

11q23転座 : ヒト11番染色体長腕がq23という位置で切断され、別の染色体の切断点との間で相互組み換えを起こすこと。


図 :

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