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大都市圏地殻構造調査 小田原―山梨測線地殻構造探査の実施について記者発表

大都市圏地殻構造調査 小田原―山梨測線地殻構造探査の実施について

大都市圏地殻構造調査 小田原―山梨測線地殻構造探査の実施について

平成17年11月7日
東京大学地震研究所

東京大学地震研究所(所長 大久保修平)は、文部科学省の委託事業「大都市大震災軽減化特別プロジェクト」の一環として、地震動(強い揺れ)の予測を行うために、「大都市圏地殻構造調査研究」(研究代表 東京大学地震研究所教授 平田 直)を、京都大学防災研究所、防災科学技術研究所などと連携して実施しており、同研究のサブテーマの一つとして、11月中旬から「小田原-山梨測線地殻構造探査」を実施します。

1.地殻構造探査の目的
南関東地域にはフィリピン海プレートが沈み込み、陸側プレートとの境界部には、関東地震(1923年: M7.9)を引き起こした震源断層が位置しています。沈み込むフィリピン海プレート上面の形状を明らかにすることは、関東地域の地震活動を理解する上で重要ですが、小田原から北西方向に位置する領域では、フィリピン海プレートの形状が明らかになっておりません。また、測線上の足柄平野北縁、甲府盆地南縁には活断層も位置しています。本探査では人工震源を用いて、特に以下の事柄を明らかにするため探査を行います。
(1)フィリピン海プレート上面の形状と物性の解明
(2)強震動伝搬の媒体となる地殻の地震波速度構造の解明
(3)プレート境界面から派生する断層や活断層の形状など地殻構造の解明

2.地殻構造探査の内容
  神奈川県小田原市の酒匂川河口から北西方向に丹沢山系西部、三ツ峠山を経て旧鎌倉往還道沿いに山梨市北部に至る約88kmの区間において、反射法、広角反射法及び屈折法による地殻構造探査を行います(別紙測線図参照)。このうち、神奈川県小田原市西酒匂-神奈川県足柄上郡山北町世附(測線長27km)区間では、バイブロサイス(大型起振車)により人工的な振動を地下に投射し、地下深部から反射してくる弾性波(反射波)を稠密に展開した多数の受振器(地震計)により記録し、地殻の詳細なイメージングを行います。それより北方の区間については、数km間隔で発振するバイブロサイスや火薬による弾性波信号を、稠密に設置した受振器によって記録することにより地殻深部のイメージングを行います。
さらに、フィリピン海プレート上面の推定位置を検証するため、調査期間の後半には、主測線沿いの神奈川県足柄上郡山北町-山梨県笛吹市一宮町市之蔵区間の40kmの区間において、地震計を50mから100m間隔で稠密に設置し、遠地地震観測を実施します。

3.調査期間
[1] 反射法,広角反射法及び屈折法:平成17年11月10日~平成17年11月28日(19日間)
[2] 地震観測:平成17年12月15日~平成18年3月14日(90日間)

4. 現地説明会
  本探査の内容について、報道関係者を対象として下記の日程で、現地説明会を行います。説明会におきましては、本探査の内容についてより詳しく説明するとともに、観測機材(受振器・ケーブル・観測車)や、発振装置(バイブロサイス)についても紹介いたします。

                          記
日 時: 11月11日(金) 14:00-16:00
場 所: 小田原市立 小田原アリーナ(別紙図参照)

※別紙図は http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/koho/press/odawara.pdf をご覧ください.

【参考】「大都市圏地殻構造調査研究」の概要
文部科学省では、平成14年度から、「大都市大震災軽減化特別プロジェクト」を実施しています。このプロジェクトは4つの研究開発課題から構成されており、「大都市圏地殻構造調査研究」はそのうちの一つです。
  この課題では、地震発生源の特定が難しい関東平野南部などの大都市圏において、阪神・淡路大震災級の被害をもたらす大地震が発生する仕組みを解明するため、大規模な地殻構造の調査研究等を行い、これに基づき、高精度の強い揺れの予測(強震動評価)を行うための断層モデル等の構築手法を開発します。

 

 


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