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東京大学が創立130周年を記念し、「情報学環・福武ホール」を2007年に開設 ~高度情報化社会における教育・文化・コミュニケーション研究の発信拠点~記者発表

東京大学が創立130周年を記念し、「情報学環・福武ホール」を2007年に開設 ~高度情報化社会における教育・文化・コミュニケーション研究の発信拠点~

2005年12月12日

東京大学大学院
情報学環・学際情報学府
       学環長 花田達朗

東京大学が創立130周年を記念し、「情報学環・福武ホール」を2007年に開設
~高度情報化社会における教育・文化・コミュニケーション研究の発信拠点~

 東京大学大学院情報学環・学際情報学府(学環長 花田達朗)は、福武總一郎氏(ベネッセコーポレーション代表取締役会長兼CEO)による16億5千万円の寄附に基づき、「情報学環・福武ホール」を2007年11月の竣工予定で建設します。これは東京大学創立130周年を記念する「東京大学基金」への寄附となり、国立大学法人化後初めて個人からの寄附で東京大学に建物が建設されます。
 「情報学環・福武ホール」は、国際遠隔授業を初め、最先端のマルチメディア教育設備を備えた高度情報化社会における教育・文化・コミュニケーション研究の世界的な発信拠点として建設されます。 また、情報学環・福武ホールは、本学特別栄誉教授の安藤忠雄氏が東京大学において設計する初めての建築物であり、建物の半分以上を地下に埋めるなど、本郷キャンパスの景観や環境に配慮したものになっています。「情報学環・福武ホール」を企画・運営する東京大学大学院情報学環・学際情報学府は、文系・理系を横断する学際的な情報研究とそれに基づく教育活動を使命として2000年に開設された大学院です。2004年度からは文部科学省の21世紀COE「次世代ユビキタス情報社会基盤の形成」を推進し、高度情報化社会における世界最高水準の研究および教育活動を展開する組織になっています。
 「情報学環・福武ホール」の寄附者である福武總一郎氏は、香川県にある直島に地中美術館を開設するなど、文化・コミュニケーションの領域において多大な功績を残されております。また、ベネッセコーポレーション代表取締役会長として、情報学環に「ベネッセ先端教育技術学講座」を寄附され、高度情報化社会に対応した教育に関する研究開発にも熱心に取り組んでおられます。
 また、福武總一郎氏は東京大学名誉教授で日本を代表する社会学者である福武直先生の遠縁にあたられます。情報学環の一つのルーツである旧新聞研究所は福武直先生が活動された文学部社会学科と密接な協力関係にあり、大学院をAコース社会学、Bコース新聞学として運営していた長い期間をもっておりました。この点からもご縁があると言えます。そして、情報学環の誕生にあたり、旧新聞研究所を前身とする社会情報研究所との統合など組織面も含めて幅広い「学際研究」の拠点として生まれたことに強く共感しておられます。「情報学環・福武ホール」は、このような学際的情報研究に対する福武總一郎氏の深いご理解とご協力により実現したものです。
 さらに、「情報学環・福武ホール」内には先端教育技術研究センター(仮称)が新設されます。これは、産学共同で高度の教育技術を研究開発し、それを最先端の教育施設に応用していくという、日本初の試みになります。「情報学環・福武ホール」では、東京大学が全学で取り組んでいる教育環境改善プロジェクトTREE (Todai Redesigning Educational Environment:東京大学教育環境リデザインプロジェクト)とも連携しながら、未来の教育の形を現実のものにするための研究開発を進めていく予定です。


■ 「情報学環・福武ホール」の概要

施設概要

場所 赤門横・史料編纂所前
規模 地上2階、地下2階 延床面積 3750?
建設費 15億円
設計 安藤忠雄建築研究所

施設内容

【情報知の発信:先端教育スペース】
シアター型教室
>最先端の設備を備え、国際遠隔授業に利用できる階段状教室
付帯施設:eラーニング収録室、同時通訳ブース
スタジオ型教室
>ワークショップから実験的授業まで多目的に利用できるスタジオ型教室

【情報知の創造:研究開発スペース】
先端教育技術研究センター(仮称)
学環プロジェクトスペース
教員研究室

【情報知の交流:サロンスペース】
サロンスペース
>教員、学生、セミナー参加者などがリラックスして語り合えるスペース
ギャラリースペース
>研究の成果やアート作品をギャラリー展示できるスペース
パーティースペース
>海外からの賓客のレセプションができるパーティースペース

【情報知の活性化:全学共同利用スペース】


<参考資料>

〇福武總一郎氏のプロフィール
1945年岡山県生まれ。1969年早稲田大学理工学部卒業。1972年日本生産性本部経営コンサルタント指導者養成講座入学。1973年同講座修了後、株式会社福武書店(現、株式会社ベネッセコーポレーション)入社。1974年同社東京支社長、1986年同社代表取締役社長を経て、2003年より同社代表取締役会長兼CEO。
財団法人福武学術文化振興財団理事長、財団法人福武教育振興財団理事長、財団法人福武文化振興財団理事長、財団法人直島福武美術館財団理事長も現在兼務。

〇東京大学大学院 情報学環・学際情報学府について
情報学環は研究組織であり、現在55名の教員が在籍している。学内から情報研究に関わる様々な研究者が有期で出向する流動教員制度を備え、常に最先端の研究ができる体制になっている。
学際情報学府は教育組織であり、現在 社会情報学コース・文化人間情報学コース・学際理数情報学コースの3コースを設置している。(修士課程学生定員:1学年70名) なお、来年度には総合分析情報学コースが新設される予定。

〇東京大学への施設寄付事例
1. 武田先端知ビル (2003年竣工)
武田郁夫氏(タケダ理研工業、現アドバンテスト創業者)の寄附により、浅野キャンパスに設置。
工学系の大学院と学部の実験棟。
2. 一条ホール (2000年竣工)
農学部設立125周年記念事業の一環として、(株)一条工務店の寄附により本郷に設置。
農学部の教育研究施設。
3. 安田講堂 (1925年竣工)
安田善次郎氏(芙蓉グループに発展した旧安田財閥の創立者) の寄附により、本郷に設置。
大講堂。

※情報学環のルーツである「新聞研究室」(1929年設置)の運営も、渋沢栄一、阪谷芳郎、本山修一、徳富蘇峰、杉村廣太郎といった、当時の財界、新聞界の名士たちが協力し募った寄附金によりまかなわれた。

【本件に関するお問い合わせ先】
東京大学大学院情報学環 助教授 山内 祐平

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