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神戸市長田区総合防災訓練のお知らせ(被災情報収集システムの公開実験を実施)記者発表

神戸市長田区総合防災訓練のお知らせ(被災情報収集システムの公開実験を実施)

東京大学大学院工学系研究科 教授 鈴木真二

2006年6月4日、東京大学は、早稲田大学、京都大学防災研究所、三菱電機、防災科学技術研究所および神戸市長田区役所の協力を得て、神戸市長田区総合防災訓練において、被災情報収集システムの公開実験を行います。
阪神・淡路大震災により大きな被害を受け、積極的に防災訓練を継続して行っている神戸市長田区で実験・実演を行うことにより、被災地での有効性を測り、今後の開発および実用に活かしたい考えです。
なお、以下の実験、及び実演は、文部科学省 大都市大震災軽減化特別プロジェクトの一環として行うものです。

◆被災情報収集システムの公開実験◆
東京大学、早稲田大学、京都大学防災研究所及び三菱電機は、防災科学技術研究所と神戸市長田区役所の協力を得て、デジカメ、GPS、無線テレメトリを装備した小型自律飛行ロボットシステム(東京大学と三菱電機による共同研究開発成果)と、高精度GPSと高分解能デジカメやレーザレーダを備え、位置に同期した映像や周囲の3次元モデル等を走行しながら取得できるモービルマッピングシステム(早稲田大学と三菱電機による共同研究開発成果)を用いた、空と陸からの広域に渡る被災情報の効率的な収集と、収集した情報の地理情報システム(DiMSIS)への統合(早稲田大学、京都大学防災研究所、防災科学技術研究所による共同研究開発成果)を行う公開実験を実施します。
大規模災害発生直後では、消防活動や被災者救援のために、広域に渡る被災情報は極めて重要です。小型自律飛行ロボットシステムは、上方からの画像データを取得できる他、有人機では危険が伴う地域を低空で自動飛行することにより、被害状況のリアルタイム映像やデジカメによる解像度の高い映像を取得できます。なお、公開実験では、会場周辺を周回し、空撮された画像を無線にて地上に伝送することで、リアルタイムにDiMSISにリアルタイムに格納し、登録された画像を撮像した位置に合わせて画像を連続的に重ねて表示させる実演を行います。
また、復興期においては、建物や道路等を撮影した写真を時空間の位置情報として取得・管理することは、復旧計画策定・工事工程管理上で非常に重要です。特に、道路の通行がそこそこできる状況での情報収集は、復旧工事の全体効率の向上・工期安定化のために継続的に必要と言われています。そこで、地物データ処理の自動化が進んだモービルマッピングシステムを導入することで、従来携帯用GPSとデジカメを持った情報収集員が人手で集めていた情報を、車両を走らせるだけで広域に渡り素早く、均一に取得することができ、空間的にも時間的にも密な情報を取得することが可能になります。なお、公開実験では、モービルマッピングシステムで取得した高精度3D地図をモニタ上に表示し、3D地図による広域被害情報表示を行う実演を行います。
このような上空と地上からの情報収集手段を活用することにより、被災地域の復興状況の生きた情報を復興推進本部へ届けるための新しい情報収集手法として、各方面から期待されております。

◆日時◆
平成18年6月4日(日) 午前10時~12時
雨天中止

◆場所◆
神戸市長田区駒ヶ林小学校(旧二葉小学校)及び周辺地域

 

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