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東京大学生産技術研究所 第60回定例記者会見の開催研究成果

東京大学生産技術研究所 第60回定例記者会見の開催

1.発表日時:2006年 9月 19日(火)  10:30~

2.発表場所:東京大学 生産技術研究所 総合研究実験棟(An棟)3階大会議室
〒153-8505 目黒区駒場 4-6-1 駒場II・リサーチキャンパス
http://www.iis.u-tokyo.ac.jp/map/index.html

3.発表タイトル:今回は、2件あります。

<ラピッドプロトタイピング技術を応用した肝臓の再生医療用足場の製造>
(1)発表者:生産技術研究所 新野俊樹 助教授(第2部 機械・生体系部門)
(2)内 容:従来の医療では、組織や臓器の機能の生まれつきの障害や、事故や病気などによる回復不能な喪失に対して、人工臓器や他人の臓器の移植によって対応してきたが、人工の臓器には、機能が十分でなかったり、生体適合性が悪いなどといった問題があり、また、他人の臓器にはドナーがなかなか見つからないという問題がある。
一方、近年、自分の細胞や組織を工学的な補助を施しながら培養して失われた組織や臓器を再構築する再生医療がこれらの問題を解決する手法として注目されている。既に皮膚では再生技術の実用化が始まっているが、肝臓など3次元的な構造をもつ内蔵組織では、臨床応用への展望は全く開けておらず、必要な要素技術を整理してひとつずつ開発していかなければならない。
本発表では、臓器再生に欠かせないスカフォールド(足場)の製造技術について本所の最近の研究成果を紹介する。
スカフォールドの造形には、積層造形やラピッドプロトタイピングなどと呼ばれる工業製品の試作や、フォーミュラーカーなどの部品の単品製造、また宇宙航空部品の少量生産に利用されている技術が応用された。この技術には複雑な形状をコンピュータデータから、直接、ほとんど人手を介さずに製造できるという特徴がある。積層造形には様々な手法があるが、本研究では粉末焼結積層造形法と呼ばれる本邦ではあまりポピュラーではない手法に独自の後処理を組み合わせることによって、複雑な内部構造をもつスポンジ状のスカフォールド(足場)を製作し、実際に培養実験もおこなった。記者会見では、この足場の製造方法を中心に原理や特徴などを解説するとともに、培養実験の結果についても報告する。
(3)問い合わせ先:
東京大学生産技術研究所 新野俊樹 助教授
Web: http://niinolab.iis.u-tokyo.ac.jp/
<動物実験代替法をめぐる動き>
(1)発表者:生産技術研究所 酒井康行 助教授(第4部 物質・環境系部門)
(2)内 容:
「第20回 日本動物実験代替法学会大会」 
2006年12月8~9日、東大駒場IIリサーチキャンパス
シンポジウム2「代替法をめぐる欧州と日本の動き」及び特別企画1「JaCVAMに期待する」において、ヨーロッパおよび米国の代替法コーディネート機関の代表(ECVAMからDr. Hartung及びICCVAMからDr. Schechtman)を招き、特別講演や関連省庁・業界団体の参加を得てパネルディスカッションを行う。
JaCVAMはEUおよび米国について設立された代替法普及のためのコーディネート機関で、国立医薬食研の中の1室として昨年11月にスタートした。EUでは2009-2013年で動物実験を使用して安全性評価を行った原料を含む化粧品のEU域内での販売が禁止となる。また、新たな化学物質管理体系としてその導入が賛否両論であるREACHについて、それに現状のまま従うと動物実験が膨大となるので、EUでは代替法の導入を加速することで乗り切ろうとしている。その研究PJとしては、急性毒性・発生毒性・感作性の3つのEU-PJが5年計画で昨年よりスタートしている。これに対してわが国でもNEDO-PJとして初の代替法のPJがH18よりスタートした。リーダーは食品薬品安全性センターの田中憲穂氏(現・代替法学会会長)で、特に発ガンプロモーター試験のOECDのテストガイドラインへの導入を目指す。
ノエビア協賛特別企画「代替法チャレンジコンテスト」第一回開催:今回、動物実験代替法の教育活動の一環として、動物実験代替に関する研究・意見討論会「動物実験代替法チャレンジコンテスト」を株式会社ノエビアの協賛により企画した。「動物実験代替に関する意見または具体的な方法について800字程度にまとめる」との題で、全国の高校の理科担当教員に案内状を送付している。優秀な提案は学会時に口頭発表を行ってもらうと同時に、以下の代替法世界大会に招待する。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsaae/
「第6回 動物実験代替法世界大会」
   2007年8月21~25日、ホテルイースト21(東陽町)
アジア圏で初の開催となる。特に上記の化粧品および一般化学物質を対象としたREACHの試行などが予定される直近の世界学会で、各国から約800名程度の参加が見込まれている。大会長は国立医薬食研の大野泰雄副所長とドイツのリスク評価機関のDR. Spielmannが務める。
http://www.knt.co.jp/ec/2007/wc6/
(3)問い合わせ先:
酒井康行 助教授
東京大学 生産技術研究所(医学系研究科・疾患生命工学センター兼務)
Web: http://envchem.iis.u-tokyo.ac.jp/

 

 

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