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「高輝度発光ダイオード・レーザー用次世代窒化ガリウム結晶を実現」研究成果

「高輝度発光ダイオード・レーザー用次世代窒化ガリウム結晶を実現」

1.発表日時:2007年 1月 9日(火) 11:30~12:30

2.発表場所:東京大学 生産技術研究所 総合研究実験棟(An棟)3階大会議室
〒153-8505 目黒区駒場 4-6-1 駒場II・リサーチキャンパス
http://www.iis.u-tokyo.ac.jp/map/index.html

3.発表タイトル:「高輝度発光ダイオード・レーザー用次世代窒化ガリウム結晶を実現」

4.発 表 者:藤岡 洋 教授(東京大学生産技術研究所 物質・環境系部門)

5.発表概要:
東京大学と神奈川科学技術アカデミー(KAST、理事長:藤嶋昭)は三菱化学株式会社と共同で高輝度発光ダイオード・レーザーを実現する高品質な次世代窒化ガリウム薄膜の結晶成長を原子間隔の近い酸化亜鉛基板と室温成長技術を用いることで実現いたしました。

6.発表内容:
窒化ガリウムは、青色発光ダイオードの発光素子材料として、1993年に実用化が開始されて以来、カラーディスプレーや信号機、携帯機器バックライト光源、高密度記録用レーザー等に広く利用されております。
今回開発に成功した次世代窒化ガリウム薄膜は無極性窒化ガリウムと呼ばれ、従来の有極性窒化ガリウムに比べ高い発光効率を実現する発光材料です。無極性窒化ガリウムが発光効率の改善に本質的に有用であることは既に理論的に予測されており、世界中の研究機関で開発が競われていました。また、酸化亜鉛という物質の原子間隔が窒化ガリウムと近いため酸化亜鉛を結晶成長の基板に用いると良質な無極性窒化ガリウムが実現できる可能性があることも研究者の間では広く知られていました。しかしながら、酸化亜鉛は窒化ガリウムとの反応性が高く通常の結晶成長温度(約1000℃)では激しい反応が起こり結晶が成長しないという問題がありました。
東京大学と神奈川科学技術アカデミーは三菱化学株式会社と共同で結晶成長の温度を室温にまで低減させることによってこの反応を抑制することに成功いたしました。本技術を用いて作製した無極性窒化ガリウム結晶は、結晶の乱れ角が0.04~0.07度程度と極めて小さく、従来のもの(結晶の乱れ角0.5度程度)に比べ大幅に品質が向上しています。
この技術を用いれば、窒化ガリウム発光素子の発光効率を飛躍的に向上できると期待され、電球や蛍光灯に代わる半導体固体照明や超高速回路素子の実用化など、大きな波及効果が期待できます。特に発光ダイオードを用いた半導体固体照明は、電球や蛍光灯と比べて発熱が少なく省エネルギーが実現できる、耐久時間が非常に長い、また水銀などの有害物質を使用していないので環境への悪影響が少ないといった特徴があり、次世代の照明技術として大いに期待できます。

7.お問合せ先:東京大学生産技術研究所 藤岡研究室
http://www.iis.u-tokyo.ac.jp/~hfujioka/



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