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東京大学大学院理学系研究科附属臨海実験所 120周年記念シンポジウム記者発表

東京大学大学院理学系研究科附属臨海実験所 120周年記念シンポジウム

拝啓 時下ますます御健勝のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
このたび、東京大学大学院理学系研究科附属臨海実験所(通称:三崎臨海実験所)は平成19年4月1日に創立120周年を迎えます。創立以来、三崎臨海実験所は数多くの優れた研究者を輩出し、生命科学の進歩に大きく貢献してまいりました。現在も、国内外から年間延べ1万人以上の方々にご利用いただいております。
さて、120年を節目として、さらに三崎臨海実験所を発展させるため、また、利用者の皆様のご要望に応えることを目的として、下記の要領でシンポジウムを開催する運びとなりました。これからの臨海実験所のあり方について出席者からご意見をいただく予定です。シンポジウムでは、傍聴いただけるよう記者席を設ける予定です。シンポジウム後に主催者及び参加者に取材していただくことが可能です。120周年記念シンポジウムを取材していただき、下記の趣旨を読者・視聴者の皆様にお伝えいただけると幸甚です。よろしくお願いします。

東京大学大学院理学系研究科附属臨海実験所 所長
赤坂 甲治
平成19年3月29日

1 日時  平成19年4月7日(土) 13時00分より

2 場所  東京大学大学院理学系研究科附属臨海実験所
実験研究棟 ゼミナール室
(神奈川県三浦市三崎町小網代1024)

3 入場無料

4 プログラム

13時00分~13時05分  開会の挨拶 理学系研究科長 山本正幸

13時05分~13時10分  文部科学省 来賓挨拶 
三浦市長挨拶 吉田英男
13時10分~13時50分  基調講演 慶応大学名誉教授 磯野直秀
「三崎臨海実験所の歴史」

13時50分~14時10分  三崎臨海実験所所長 赤坂甲治
「三崎臨海実験所の活動と将来計画」

14時10分~  パネルディスカッション「臨海実験所の現状と未来~課題と展望」

パネリスト(五十音順)
日本発生生物学会会長 相澤慎一      (仮題)進化発生生物学における臨海実験所
の役割
日本学術会議副会長 浅島 誠       (仮題)日本学術会議からの提言
東京大学大学院理学系研究科 教授 岡 良隆(仮題)生物科学専攻と三崎臨海実験所
東京大学副学長 岡村 定矩        (仮題)東京大学における三崎臨海実験所
日本動物学会会長 佐藤 矩行       (仮題)動物学における臨海実験所の役割
三浦市教育研究所長 鈴木 恒雄      (仮題)三浦市と臨海実験所との連携
総合研究大学院大学副学長 高畑 尚之   (仮題)総研大・三崎臨海実験所の連携
東京大学海洋研究所次期所長 西田 睦   (仮題)海洋研と臨海実験所の連携

15時00分~17時00分  所内見学

5 開催趣旨 

理学系研究科附属臨海実験所は、明治20年4月1日に帝国大学臨海実験所として正式に発足しました。富国強兵を目指していた明治時代に、海産動物学という基礎学問を、世界に先駆けて日本で始めた東京大学の先人たちの先見の明には驚かされます。この120年間に、三崎臨海実験所で培われた研究業績は世界的にも高く評価されてきたことは、実験所のスタッフや利用者の中から国際生物学賞、ピオ11 世金メダル、文化功労者、学士院賞、紫綬褒章、恩賜賞の受賞者を輩出したことや、国内外の学会賞等や各種学術賞の受賞者は枚挙に暇がないことからも明らかであります。
三崎臨海実験所は理化学研究所、海洋研究所など8つのグループが研究室の占有長期利用をしており、臨海実験所を足場に、多様な海産生物種を用いた研究を展開しております。また、東京大学以外にも、多くの大学が学生実習の場として利用しており、中高校生や市民を対象とした生命科学と環境保全の啓蒙活動も活発に行っております。
このように、三崎臨海実験所は、東京大学本部、理学系研究科の支援が厚く、活発に研究教育活動を行い、国内外の多くの外来研究者・学生を迎え入れていますが、欧米に比べると、その規模には大きな隔たりがあります。
多様な海産動物は、医農工学に役立つ発見の宝庫であり、臨海実験所はその最前線基地であります。実際、米国のウッズホール臨海実験所のスタッフ、インストラクター、外来研究者から50名以上のノーベル医学生理学賞受賞者が生まれています。残念ながら日本では、その重要性が認識されていません。多様で単純な海産動物を使うことにより、生命現象の本質が明確に見えてくることが非常に多くあります。例えば、細胞増殖やガンと関連するサイクリンの発見はウニの細胞分裂、神経伝達機構の解明にはイカの神経がヒントとなったなど、枚挙に暇がありません。
欧米では、医学・生命科学に携わる多くの研究者が一定期間、臨海実験所で研究を行い、ヒントを見つけてラボに戻り、研究を発展させています。また、海産動物を用いた実習が大規模に行われており、野生の海産動物を研究対象とすることに対する抵抗感が少なくなっていると思われます。このままでは、欧米に海産生物がもたらす貴重な発見と、そこから派生する技術・特許を独占される危険性があります。日本の臨海実験所は、プロフェッショナルな海洋生物学者のための研究施設ではありましたが、今後は、幅広い生命科学にヒントを与える場として、海産生物の最先端の研究、教育活動を行うための臨海実験所として充実させる必要があります。
欧米では、大学や行政レベルだけではなく、民間企業も海産生物の研究の重要性を認識しており、実習、研究会さらには、臨海実験所の運営のスポンサーとなっております。三崎臨海実験所120周年をきっかけとして、民間企業、財団に海産生物研究の重要性を認識していただきたいと考えています。さらには、海産生物の研究が国益につながることを行政に認識していただき、国策として臨海実験所を発展させるよう支援を要請したいと考えています。

6 問い合わせ先 東京大学大学院理学系研究科附属臨海実験所 所長 赤坂甲治

アクセス等は、以下のホームページをご覧ください
URL : http://www.mmbs.s.u-tokyo.ac.jp

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