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記者会見「東京大学に新設された寄付講座『味覚サイエンス』をめぐって」記者発表

記者会見「東京大学に新設された寄付講座『味覚サイエンス』をめぐって」

【日時】 平成19年5月16日(水)14時~15時
【場所】 農学部3号館4階大会議室
【発表者】 設置者 生源寺眞一(大学院農学生命科学研究科長・教授)
高橋直樹(同研究科応用生命化学専攻長・教授)
阿部啓子(同研究科応用生命化学専攻生物機能開発化学研究室・教授)
        寄付者 中川晋(日清食品株式会社代表取締役常務取締役)
松村泰治(同取締役中央研究所長)
安藤徳隆(同経営企画部部長)
奥島実(同食品開発部次長)
【発表概要】
本寄付講座設立の趣旨および活動方針について
  “食と健康”は昔も今も人々が大きな関心を抱く“最も古くて最も新しいテーマ”である。しかも近年、たべものの“おいしさ”の健康効果が大いに注目され始めた。従来、“おいしさ”といった感覚的指標は主に計量心理学・官能検査の研究対象となっていた。が、最近の分子・細胞生物学やゲノム情報科学の進歩はこれを先端的ライフサイエンスの域にまで高揚させるに至った。近い将来、嗅覚の研究に続いて味覚の研究でもノーベル賞が出るだろうとさえ言われるようになった。研究の国際競争も一段と激化している。
  こうした背景を踏まえて2007年4月1日に発足した本寄付講座「味覚サイエンス」は、この領域での世界トップ・ラボに悟して、味覚という生命現象の未知の機序を、根源的に、分子のレベルで解明することを目標とするわが国最初の味覚専門研究室であるといえよう。しかも味覚と他の生理統御系(例えば神経、ホルモン、消化免疫、多様な栄養代謝などの緒系統)との間に潜在する連動機構を掘り起こし、たべものの摂取で生じる味の感覚がからだ全体にどのような影響を与え、どのような健康効果を現出するのかの予測にまで研究を波及させようとする本講座の活動は、きわめてユニークなものとなろう。
  “おいしさからの健康づくり”をサイエンスの立場から考究しようとするこうした研究活動は当然、これからの食品産業が目指す新たな方向と符号し、品質設計・製品創出に具体的示唆を与えるであろう。基礎解析に依拠した応用開発の実現こそ、本研究科応用生命化学専攻とその前身である農芸化学100年の歴史を通じて培われ、育てられてきた基本的研究・教育姿勢である。企業の支援によって
成り立つ寄付講座「味覚サイエンス」が本専攻に開設されたことに、特段の意義を見いだすことができよう。
【客員教員】
  准教授 朝倉 富子、 助教 石丸 喜朗
【寄付者】
  日清食品株式会社
【連絡先】
東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命化学専攻
生物機能開発化学研究室 教授 阿部啓子

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