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「細胞外から細胞内へ分子を取り込む細胞膜陥入機構を解明―生命現象の基本であるエンドサイトーシスの一端が明らかに―」研究成果

「細胞外から細胞内へ分子を取り込む細胞膜陥入機構を解明―生命現象の基本であるエンドサイトーシスの一端が明らかに―」

独立行政法人理化学研究所
国立大学法人東京大学


件 名
細胞外から細胞内へ分子を取り込む細胞膜陥入機構を解明
―生命現象の基本であるエンドサイトーシスの一端が明らかに―

概 要
独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)と国立大学法人東京大学(小宮山宏総長)は共同で、細胞が外部から分子を細胞内へ取り込む過程(エンドサイトーシス)において細胞膜を陥入させる機能を持つ「EFCドメイン」の立体構造を世界で初めて解明、その細胞膜陥入機構を明らかにした。理研ゲノム科学総合研究センター(榊佳之センター長)タンパク質基盤研究グループの横山茂之プロジェクトディレクター/東京大学大学院理学系研究科教授、白水美香子上級研究員らと、理研放射光科学総合研究センター(石川哲也センター長)嶋田睦研究員、丹羽英明協力研究員ら、東京大学医科学研究所(清木元治所長)の竹縄忠臣教授、末次志郎助手、辻田和也研究員、大学共同利用機関法人自然科学研究機構岡崎統合バイオサイエンスセンターの永山國昭教授、新田浩二研究員らの研究グループによる成果で、わが国が推進している「タンパク3000プロジェクト」の一環として行なわれた。
真核細胞が外部から物質を取り込む仕組みのうち、最も基本的な現象の一つとしてエンドサイトーシス過程が知られている。例えば、エンドサイトーシスは、シナプスにおける神経伝達物質のリサイクリング、体細胞における栄養の摂取など、真核生物が活動するために欠かせない様々な基本生命現象において、重要な働きをしている。エンドサイトーシスの過程における陥入ステップの詳細な分子機構はこれまで不明だった。今回研究グループは、ヒトFBP17とヒトCIP4タンパク質のEFCドメインの立体構造を決定、EFCドメインが脂質膜に巻き付くようにらせん状の繊維を形成することで、生体膜を陥入させることを明らかにした。またFBP17がこの機構に基づいてクラスリン依存性のエンドサイトーシスの膜陥入ステップに関与していることを、細胞生物学的な手法を用いて突き止めた。今回の成果は、未解明の問題の多いエンドサイトーシスの機構の理解に大きく貢献し、医学的応用の観点からも重要であると考えられる。

掲載雑誌 米国の科学雑誌『Cell』5月18日号

発表日時 平成19年5月18日(金)午後2時
<解禁:5月19日(土)午前1時>

発表主体 独立行政法人理化学研究所、国立大学法人東京大学

発表場所 文部科学省会見室

同時発表 文部科学記者会、科学記者会、大学記者会

発表形態 レク・事前レク・資料配付・事前資料配付・説明付資料配付

発表者:ゲノム科学総合研究センター 横山茂之 プロジェクトディレクター

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