記者会見「東京大学創立130周年記念事業 東京大学西アジア遺跡調査50周年記念特別展示『遺丘と女神-メソポタミア原始農村の黎明』展」記者発表

記者会見「東京大学創立130周年記念事業 東京大学西アジア遺跡調査50周年記念特別展示『遺丘と女神-メソポタミア原始農村の黎明』展」 |
東京大学創立130周年記念事業
東京大学西アジア遺跡調査50周年記念特別展示
「遺丘と女神-メソポタミア原始農村の黎明」展
記者発表のご案内
開催要旨
東京大学の西アジア遺跡調査は、我が国戦後初の大型海外学術研究として1956年に始まりました。以来50年を迎えた現在もなお、調査は継続しており、息の長い研究となっています。当初掲げられた研究テーマは、農耕牧畜がどのように始まり、その結果、人類の社会がどう変わったかを考古学的に突き止めることにありました。このテーマも今に引き継がれています。
今回の展示は、この長期にわたる野外調査があきらかにした成果の一端を紹介するものです。世界最初の農耕村落の発生と発展は、経済の変化だけでなく人々の社会や世界観の変化をともなう壮大なできごとでした。これまでに蓄積された標本の再分析と新たな現地調査の成果を示しながら、西アジアの遺丘(丘状の遺跡)を舞台に展開した初期農耕民のいとなみについて最新の知見を提示したいと考えます。
展示品の主体はイラク、イラン、シリアなど西アジア各地から出土した1万3000?6000年前頃の考古資料、動植物化石です。シリアの展示品は主として近年発掘されたばかりの新着資料となります。中でも注目いただきたいのは、総合研究博物館が調査中のテル・セクル・アル・アヘイマル遺跡で発見されたメソポタミア最古の写実女性土偶です。シリア考古遺産庁との共同プロジェクトとして、昨年来、慎重なクリーニングを続けてきた結果、たぐいまれな写実性、造形性を備えた逸品であることが判明しました。それを今回初めて公開します。9000年前の「女神」の微笑みを眺めながら、最古の農民たちが築きあげつつあった最新の社会は新たな精神世界の幕開けであったことにも思いをはせていただければと思います。
つきましては、以下のとおり記者発表を行います。また、一般公開に先立ち、午後4時より内覧会を開催いたしますので、併せてご案内申し上げます。
[記者発表]
日時:2007年5月25日(金)午後3時より
場所:東京都文京区本郷7-3-1
東京大学総合研究博物館7F「ミューズホール」
出席者:林 良博(東京大学総合研究博物館長)
西野 嘉章(東京大学総合研究博物館教授)
西秋 良宏(東京大学総合研究博物館教授)