「フライホイール電源」運転開始式(世界最大の直流発電機運転開始式)記者発表
「フライホイール電源」運転開始式
(世界最大の直流発電機運転開始式)
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1.タイトル:「フライホイール電源」運転開始式
(世界最大の直流発電機運転開始式)
2.式典概要:
世界最大の発電能力を持つフライホイール付き直流発電機が柏キャンパスの物性研究所に設置され、世界最強のマグネット電源として運転が開始される。これを記念して運転開始式を行う。
3.内容:
東京大学物性研究所附属国際超強磁場科学施設では、物性物理のための世界最強の磁場発生を可能にするための磁石開発計画を進めております。世界において磁石コイルを破壊せずに発生できる磁場は100テスラが限界と言われてますが、この究極の強い磁場をパルス的に発生さることが可能です。このためには大きなエネルギーが取り出せる直流電源が必要です。物質の性質を決めているのが物質中の原子の周りの電子ですが、磁場は電子に直接働きかけてその状態を調べたり、また、電子の振る舞いを変えて物質の新しい性質を引き出します。より強い磁場は物質により大きな可能性をもたらします。このような100テスラの磁場発生と物性研究促進の計画は、ヨーロッパ連合ではドレスデンにて、また、米国ではロスアラモスにおいて同時進行しております。本施設では、「国際強磁場コラボラトリー計画」を掲げ、アジアでのパルス強磁場科学の国際拠点形成を目指し、この100テスラ計画を推進することにしました。
この度、日本原子力研究開発機構において核融合試験装置JFT-2Mの一部として使われていた巨大発電機がその目的を終えて廃棄されることになりました。世界最大の発電能力を有する直流発電機としてギネスブックにも登録されており、その出力は51.3メガワット、エネルギーは210メガジュールにも及びます。これは物性科学のために必要な強い磁場を発生するための理想的な磁石用電源であり、従来から世界の強磁場発生の研究者たちが欲していた究極の電源です。そこで、これを再利用することにし、物性研究所と三菱電機の共同開発により強磁場発生用に見事に蘇りました。このたび東京大学柏キャンパスにこの巨大電源の移設が完了し運転開始が可能になりましたので、これを記念して運転開始記念テープカットとこの巨大装置および磁場発生施設のお披露目を行うことにしました。
4.日時:平成20年5月16日(金)15:00~15:50
テープカット及び施設見学 等
詳細は、別添「取材案内」を参照願います。
5.問い合わせ先:
東京大学物性研究所附属国際超強磁場科学研究施設
施設長・教授 嶽山正二郎
教授 金道浩一
6.用語解説
100テスラ:テスラは磁場の強さを表す単位、昔使用されていた単位はガウス、1テスラは1万ガウスに等しい。100テスラは100万ガウスになる。地磁気の強さが0.00005テスラ程度であるから、100テスラはその200万倍の強さになる。
コラボラトリー:共同作業のコラボレーション+ラボラトリーの結合語、共同体制研究室を意味する。
メガワット:メガは100万を意味するので、1メガワットは100万ワットになる。
メガジュール:ジュールはエネルギーの単位、メガシュールは100万ジュール。1ジュールが1秒継続すると1ワットとなる。
東京大学物性研究所「フライホイール電源」運転開始式について(取材案内)
東京大学物性研究所では、「フライホイール電源」運転開始式(世界最大の直流発電機運転開始式)を下記のとおり、執り行いますので、取材の協力方ご案内いたします。
記
1. 日 時 平成20年5月16日(金)15:00~15:50
2. 場 所 東京大学柏キャンパス(千葉県柏市柏の葉5-1-5)
東京大学物性研究所ロングパルス強磁場実験棟
3. 出席者 東京大学理事・副学長 岡村定矩
文部科学省審議官 藤木完治
柏市副市長 浅羽大嗣
4.内 容 テープカット
フライホイール電源見学
運転開始スイッチ投入
磁場発生スイッチ投入
祝賀会
5.その他 当日は直接会場にお越しください。(14:30から受付いたします。)
【本件についてのお問い合わせ先】
東京大学物性研究所附属国際超強磁場科学研究施設
施設長・教授 嶽山正二郎
教授 金道浩一