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記者会見「カスタムメイド型人工骨 、全国10施設にて実用化に向けた臨床試験を開始~頭蓋顎顔面骨の先天的骨形成不全、後天的骨部分欠損患者を対象~」研究成果

記者会見「カスタムメイド型人工骨 、全国10施設にて実用化に向けた臨床試験を開始~頭蓋顎顔面骨の先天的骨形成不全、後天的骨部分欠損患者を対象~」

2008年7月8日
東京大学医学部附属病院
  株式会社ネクスト21

記者発表のご案内(2008年7月14日)

カスタムメイド型人工骨 、全国10施設にて実用化に向けた臨床試験を開始
~ 頭蓋顎顔面骨の先天的骨形成不全、後天的骨部分欠損患者を対象 ~

東京大学医学部附属病院(*1)ティッシュ・エンジニアリング部(*2)では、(株)ネクスト21(*3)と共同で、カスタムメイド型人工骨の開発を続けて参りました。2006年から同病院において臨床研究として行われた10例の患者への人工骨移植の順調な術後推移をうけ、このたび、2008年6月より、同病院 顎口腔外科・歯科矯正歯科(*4)を中心にした全国10施設において、合計70症例を目標に、本人工骨の実用化に向けた臨床試験を実施することとなりました。口唇口蓋裂、ヘミフェイシャルマイクロソミアなどの先天的骨形成不全、あるいは腫瘍摘出や外傷などの後天的要因による、頭蓋顎顔面骨(非荷重部)の欠損又は骨変形を対象としています。つきましては、本件の詳細について、下記の要領で記者発表を行うこととなりました。皆様にはご多忙中と存じますが、お申込みの上、ご参加くださいますようお願申し上げます。

 

【日 時】2008年7月14日(月) 15:00~16:00
【発 表 者】 東京大学医学部附属病院 ティッシュ・エンジニアリング部 部長 高戸 毅
        (東京大学医学部附属病院 顎口腔外科・歯科矯正歯科 科長・教授)
        東京大学医学部附属病院 ティッシュ・エンジニアリング部 副部長 鄭 雄一
        (東京大学大学院医学系研究科 骨・軟骨再生医療寄付講座 特任教授)
        (東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 教授)
        株式会社ネクスト21 代表取締役社長 鈴木 茂樹
【お申込み】 東京大学医学部附属病院パブリック・リレーションセンターまで、メールにてお申込みください。
         〆切2008年7月14日(月) 12:00迄  
【会   場】 東京大学医学部附属病院 管理研究棟2階 第一会議室
【会場地図】 http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_03_10_j.html

【背景・経緯】
本カスタムメイド型人工骨は、従来の骨移植手術の問題点を克服し、安全で有効なインプラント人工骨を提供することを目標に開発が行われてきました。現在、一般的に行われる骨移植手術では、自家骨採取時の侵襲や、他家骨使用による感染症のリスクがあり、また、既存の人工骨では患部への形状適合性、自分の骨に置き換わる骨吸収置換性、機械的強度などの点で満足のいく製品がないため、複雑な形状を再現でき、かつ生体骨への骨吸収置換が期待される人工骨の開発が望まれています。
このような現状を踏まえ、東京大学医学部附属病院 ティッシュ・エンジニアリング部と(株)ネクスト21が中心となり、産学協同のトランスレーショナルリサーチ体制を構築し実用化に向けた開発を行ってきました。東京大学大学院農学生命科学研究科附属動物医療センターで行われた動物への移植試験による有効性と安全性の確認に引き続き、2006年から東京大学医学部附属病院ティッシュ・エンジニアリング部にて医師主導の臨床研究として10例の患者に対して本人工骨の移植を実施し、これまで安全性に関わる大きな問題もなく順調に推移しています。これらの成績をふまえ、全国10施設における今回の臨床試験の実施に至りました。

【本人工骨の特徴】
患部のX線CT画像を基に、三次元ソフトで形状設計を行い、インクジェット方式の三次元積層造形法により造形を行うカスタムメイド人工骨です(図)。

図

本人工骨は以下のような特徴を有します。
① 患部のX線CT画像データを基に作製するため、患者様一人一人に最適な外観形状を再現でき、母骨との優れた適合性が期待できます。また、事前に成型が可能なため、手術中に患部に合わせた形状に整える必要がありません。
② 必要に応じて細胞や血管の侵入に適した内部構造を設計でき、早期の生体同化性と骨置換による強度を同時に実現できます。
③ 主原料は、安全性と吸収置換効率の良いことが確認されている人工骨材料(α型リン酸三カルシウム(α-TCP))であり、成形体は非焼結のリン酸カルシウム硬化体であるため、早期の生体骨との癒合と置換が期待できます。

【臨床試験の概要】
今回実施される「頭蓋顎顔面骨(非荷重部)の欠損又は変形に対する3DB-01の臨床試験」は、カスタムメイド人工骨(3DB-01)の多施設共同臨床試験です。「頭蓋顎顔面骨の非荷重部に、先天的骨形成不全、腫瘍摘出や外傷における後天的骨部分欠損あるいは骨変形による複雑な三次元形状の骨陥凹変形あるいは欠損」を有する患者を対象にしており、代表的な適応疾患として、口唇口蓋裂、ヘミフェイシャルマイクロソミア、トリーチャーコリンズ症候群、頭蓋縫合早期癒合症、小顎症などの頭蓋顎顔面変形、癌切除後の陥凹及び外傷後の陥凹変形(ただし、完全な下顎骨区域切除を除く)等が想定されています。本臨床試験は、20歳から70歳の成人男女を対象に、高度な医療技術を有する下記の全国10施設にて実施し、目標症例は70症例を予定しています。

【臨床試験実施医療機関一覧】
①東京大学医学部附属病院 顎口腔外科・歯科矯正歯科、②東京歯科大学 市川総合病院 歯科・口腔外科、③鶴見大学歯学部附属病院 口腔外科、④獨協医科大学病院 口腔外科・形成外科、⑤神戸大学医学部附属病院 歯科口腔外科、⑥順天堂大学医学部附属順天堂医院 形成外科、⑦埼玉医科大学病院 形成外科・美容外科、⑧京都大学医学部附属病院 形成外科、⑨大阪医科大学附属病院 形成外科、⑩大阪市立総合医療センター 形成外科

【注 釈】
(*1) 東京大学医学部附属病院 病院長 武谷 雄二
   所在地:〒113-8655 東京都文京区本郷7-3-1
   http://www.h.u-tokyo.ac.jp/
(*2) 東京大学医学部附属病院 ティッシュ・エンジニアリング部 部長 高戸 毅
   所在地:同上
   http://square.umin.ac.jp/t-e/
(*3) 株式会社ネクスト21 代表取締役社長 鈴木 茂樹
   所在地:〒113-0033 東京都文京区本郷3-38-1 本郷イシワタビル8F
   http://www.next21.info
(*4) 東京大学医学部附属病院顎口腔外科・歯科矯正歯科 科長・教授 高戸 毅
   所在地:〒113-8655 東京都文京区本郷7-3-1
   http://plaza.umin.ac.jp/~oralsurg/

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【本件に関するお問合せ先】
東京大学医学部附属病院 ティッシュ・エンジニアリング部 副部長
(東京大学大学院医学系研究科 骨・軟骨再生医療寄付講座 特任教授)
(東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 教授)
鄭(てい) 雄一(ゆういち)

株式会社ネクスト21 代表取締役社長 
鈴木(すずき) 茂樹(しげき)

【取材に関するお問合せ先】
東京大学医学部附属病院 パブリック・リレーションセンター (担当:大野) 
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