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「東京大学大学院農学生命科学研究科附属農場における農作業時の水銀剤使用」に関する記者会見について記者発表

「東京大学大学院農学生命科学研究科附属農場における農作業時の水銀剤使用」に関する記者会見について

日  時 :平成20年10月2日(木)10:30~
場  所 :農学部3号館4階大会議室


平成20年10月2日

東京大学大学院農学生命科学研究科附属農場における農作業時の水銀剤使用について
                                

○ 所在地等
東京大学大学院農学生命科学研究科附属農場
  (東京都西東京市緑町1-1-1)

○ 経緯
水銀剤使用については本年9月18日に東京大学大学院農学生命科学研究科に通報があり、直ちに関係者の聴取などを行ったところ、水銀剤使用の疑いが強まったために、以下の措置をとった。

22日(月) 農場で収穫した野菜などの生産物の一般販売を中止し、併せて薬剤等を含む資材の現状保存措置を行った。
24日(水) 同研究科内に「調査委員会」を設置し、調査を開始した。

現在、農場長や関係する教職員全員からのヒアリングを行い詳細な事実関係を確認するとともに、人体への影響可能性の有無の確認、生産物の水銀残留検査の実施などを行っている。
   
○ 調査結果
農作業時の「水銀剤」使用の状況について、農学生命科学研究科調査委員会による調査の結果、現時点で以下のことが確認された。
  (種モミ)
イ 平成9、10、11年度において、年1回(毎年4月)、苗床に播く前の種モミ(水田部分の実習田分(約30アール)で使用)の消毒を行うために、「水銀剤」が使用された。使用に際しては5~6時間の浸漬の後、水洗を行っている。
ロ 上記の種モミを育成し収穫された米は、農場において一部消費されたものを除き、一般に販売された。購入者は特定不可能である。
  (柿苗木)
ハ 平成18年12月上旬に1回、柿苗木(20本)の根の消毒を行うため「水銀剤」が使用された。使用に際しては苗木の根を水銀剤に一昼夜浸漬して植樹した。
二 柿の苗木は、まだ実を付けていない。
  (リンゴ苗木)
ホ 平成19年2月14日・15日の両日、リンゴ苗木(2本)の根の消毒を行うために、「水銀剤」が使用された。上記ハと同様に苗木の根を水銀剤に一昼夜浸漬して植樹した。このことは作業日誌でも確認されている。
ヘ リンゴは食用種ではない。
  (研究用田)
ト 平成16、17、18、19、20年度において研究用田(約10アール)の種モミの消毒に「水銀剤」が使用された。使用に際しては5~6時間の浸漬の後、水洗を行っている。
チ 研究用田で生産されたモミは、研究用で使用した後、全て廃棄されている。

リ 使用された「水銀剤」は、酢酸フェニル水銀を主成分とする「水銀錠剤」1錠(2g)を水10Lに溶かしたものである。この「水銀錠剤」は昭和48年以前に購入され、農場に保管されていたものと考えられるが、購入日時は不明である。

ヌ 上記以外に、農作業時における「水銀剤」の使用は確認されていない。

※水銀剤は殺菌剤として使用されるものであり、酢酸フェニル水銀そのものは試薬として販売されている。「毒物及び劇物取締法」上の毒物であり、「農薬取締法」上の禁止農薬である(イネいもち病の薬剤として広く使われたが、昭和48年から使用を禁止されている)。

○ 今後の対応
本件の背景、発生原因等詳細な状況確認を進める。
さらに水銀剤使用の状況や影響等、本件に関して明らかになった事実は、すみやかに公表する。

○ 本件に関する問合せや健康相談等に対応する窓口
連絡先電話番号:03-5841-5482(農学系事務部総務課)


(注)

水銀剤は、1973年(昭和48年)に農薬として登録失効となり、法令上輸入、製造、販売が禁止されました。この時点以前に流通している水銀剤については、なお使用が法的には許容されている状態でした。この後、2003年(平成15年)3月に使用自体が禁止となりました。

したがって、このたび問題となった水銀剤は、本学農場における実習田での使用当時(1997~1999年度)においては、登録失効となっていましたが、厳密に言えば使用禁止農薬とはなっていない状態でした。

しかし、水銀剤が登録失効とされた趣旨からすれば、失効以後は使用も望ましくないものと考えられますので、本日の記者発表で申し上げたとおり、当該農薬については適切ではない取扱いがあったものと判断しております。


岡村定矩理事・副学長コメント

今回、皆様方に大きな不安を与えることとなり大変遺憾に思っております。
二度とこのようなことが起こらないよう、調査ならびに対策を誠意を持って行なう所存です。
また東京大学における薬品管理体制をより強固なものにしてゆきます。


生源寺眞一大学院農学生命科学研究科長コメント

地域の皆様に不安を与えることになり、深くお詫び申し上げます。
研究科として薬品等の適正な管理と使用に努めてまいりましたが、このような事態をまねき、誠に残念であります。今後事態の詳細を明らかにし、誠意を持って対処してまいりたい。

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