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東京大学教養学部創立60周年記念 矢内原忠雄と教養学部記者発表

東京大学教養学部創立60周年記念 矢内原忠雄と教養学部

平成21年3月26日
東京大学大学院総合文化研究科・教養学部
  駒場博物館
館長 池田信雄

各位

「東京大学教養学部創立60周年記念 矢内原忠雄と教養学部」開催
および内覧会のご案内

 東京大学大学院総合文化研究科・教養学部 駒場博物館では、3月28日(土)より下記のとおり「東京大学教養学部60周年記念 矢内原忠雄と教養学部」展を開催いたします。
  展覧会開催に先駆けて、3月27日(金)午後5時より、駒場博物館一階・美術博物館展示室にて、内覧会を開催し、展覧会の趣旨説明を行います。
  当日は、本展覧会を企画した駒場博物館館長 池田信雄(東京大学教授)および、特別展「東京大学教養学部創立60周年記念 矢内原忠雄と教養学部」実行委員会のメンバーが会場をご案内いたします。
  ご多用中とは存じますが、何とぞご来場賜りますようご案内申し上げます。


【内覧会】
日時  3月27日(金)午後5時~
場所  駒場博物館一階・美術博物館展示室(駒場Iキャンパス)
【開催要項】
会場   東京大学大学院総合文化研究科・教養学部 駒場博物館
会期 3月28日(土)~ 6月28日(日)
開館時間 10:00~18:00 (入館は17:30まで)
休館日 火曜日(ただし5月5日は開館)
入場料 無料
会場  東京大学大学院総合文化研究科・教養学部 駒場博物館
交通  京王井の頭線駒場東大前駅東口下車 徒歩3分
住所 〒153-8902 東京都目黒区駒場3-8-1

URL http://museum.c.u-tokyo.ac.jp/exihibition.html#yanaihara

主催 特別展「東京大学教養学部創立60周年記念 矢内原忠雄と教養学部」
   実行委員会
   東京大学大学院総合文化研究科・教養学部
   東京大学駒場博物館
   共催 駒場友の会
   東京大学教養学部附属教養教育開発機構
協力  琉球大学附属図書館
     NPO法人 今井館教友会
     基督教独立学園高等学校

【企画概要】
  当館は、東京大学教養学部が本年5月31日創立60周年を迎えるのを記念して、初代学部長矢内原忠雄教授の人物と学問を紹介し、教養学部の草創期を回顧する展覧会を催します。
  本学の総合文化研究科・教養学部が、今日にいたる60年間にわたり、わが国の大学の中でたんなる一部局にとどまらない、総合的知を生み出す拠点としての活動を続けてこられたのは、旧制第一高等学校と旧制東京高校を新制東京大学教養学部へと編成し直す画期的転換があって初めて可能になったことです。その門出の時期にどのような議論を経て全国に一つしかない教養学部のグランドデザインが生み出されたか、それは今なおスリリングな歴史の一齣です。
  特色あるシニア課程の教養学科が作られたのも、駒場博物館の礎が築かれたのも、さらには教養学部報が発刊されたのもみな矢内原が学部長を務めた2年半に起こったことでした。
  矢内原忠雄は教養学部長から南原繁の後任として戦後2代目の東京大学総長に選出されますが、総長時代にも教養学部を重視する態度を貫きました。敗戦後間もない貧しい占領下の時代であり、学生運動が昂揚しさまざまな軋轢もありましたが、矢内原と学生の間には常に信頼関係が保たれていました。
  矢内原忠雄が、第一高等学校入学後、校長であった新渡戸稲造の感化を受け、さらに内村鑑三の門に入りキリスト教信仰を学んだことはよく知られています。矢内原の人となりを知る上で、預言者と称されるほど強い個性を持つキリスト者の側面を無視しては全体像を考えることはできません。明治・大正時代の内村、新渡戸から、戦後の総長南原、矢内原へと地下水のように流れるキリスト教の背景についても、展示を通じて掘り下げます。
  学者としての矢内原忠雄は歴史の大波に揉まれた人でした。彼は大学卒業後、住友総本社に入社、別子鉱業所勤務した後、国際連盟へ赴任した新渡戸稲造の後任として、東京帝国大学経済学部助教授に任官し、開設されたばかりの植民政策の講座を担当します。『植民及植民政策』(1926年6月)を刊行するとともに、繰り返し朝鮮、台湾、南方群島などに調査旅行を重ね、当時の状況下で日本の植民地のあり方を批判的に検討する学問的姿勢を貫くうち、やがて日本の植民政策と鋭く対立する立場を取らざるをえなくなります。1937年9月、蘆溝橋事件を受けて執筆した雑誌論文「国家の理想」は当局の忌諱に触れて全文削除されますが、これに屈せず、軍国主義化する日本の現状を批判しつづけた矢内原は、ついに東大教授の職を辞することを余儀なくされたのです。
  辞職後も検事局への頻繁な呼び出しや著作に加えられる度重なる発禁・削除処分にも屈することなく、『余の尊敬する人物』等の著書や信仰誌『嘉信』を刊行し、自宅での聖書集会、土曜学校講義等の伝道活動を続けながら、キリスト者として真理のための戦いを貫きました。
  終戦後東京大学教授の職に復帰してからの矢内原は、社会科学研究所長、経済学部長、教養学部長、総長を歴任し、その傍らキリスト教伝道の手を緩めず、新しい時代に平和と自由の理想を担う若者を育てるべく、超人的ともいえる活動を展開したのでした。
  本展覧会では、
   1、矢内原忠雄の人と信仰
    2、矢内原忠雄の学問
    3、教養学部の出発
の3テーマを柱に、矢内原忠雄と教養学部草創期に関わる資料を展示いたします。

 

【関連企画】
「教養学部創立60周年記念シンポジウム」
日時 4月24日(金)18:20~ 
会場 東京大学駒場Iキャンパス内 900番教室

シンポジウム「矢内原忠雄と植民地研究」
日時 5月16日(土) 13:30~
会場 東京大学駒場Iキャンパス内 18号館ホール

シンポジウム「矢内原忠雄とキリスト教」
日時 6月13日(土) 13:30~
会場 東京大学駒場Iキャンパス内 18号館ホール

本件に関する問い合わせ
東京大学大学院総合文化研究科・教養学部
  駒場博物館

パンフレット

 

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