世界的なエネルギーへの探索と自然への理解に向けて-シンクタンク:GENNAIを発足-記者発表

今般、国立大学法人東京大学先端科学技術研究センター(東京都目黒区、宮野健次郎所長、以下東大先端研)のエネルギー・環境技術国際研究拠点(SOLAR QUEST)*では、「世界的なエネルギーへの探索と自然への理解のための国際共同研究会」**GENNAI (Global Energy Navigating and Nature Apprehension Interdisciplinary)と称するシンクタンクを発足致します(2009年4月1日)。
深刻化しつつある地球環境問題とエネルギー問題が抱えている不可分の課題は、幅広い科学技術を結集し社会科学的な戦略に立脚して総合的な解決を目指す必要があります。また、それらを達成するために世界の第一線で活躍する研究者、実務者、政策立案者の力を総合して国際的な連携を強力に推進することが求められています。
「GENNAI」では富田孝司客員教授(元シャープ株式会社常務取締役)のリーダーシップの下、東京大学内の関連部署とも連携し、太陽エネルギーを核に再生可能エネルギー全般の可能性探求を以下の広範なテーマに関して取り組んでまいります。
1) 技術戦略の策定・・安価なシリコン(新シリコン)原料供給、次世代太陽電池セル、必要な周辺要素技術(エネルギー貯蔵、系統連系、スマートグリッド、パワーエレクトロニクスなど)をグローバルに、かつ地域的に最適なポートフォリオを作成する。
2) 政策の提言・・・中立的立場からの真に必要な政策提言を国と国際社会へ向けて行う。
これらの活動には、共同研究開発、ハイレベルなセミナーの開催、海外若手研究者の受入れ、あるべき国際規格に関する提案、などが含まれています。
また、成果の出口戦略として、大学発ベンチャービジネスの育成を含めた事業化への関与まで進めてまいります。GENNAIが目指すのは電気自動車の利用拡大や次世代の電力供給インフラであるスマートグリッドの展開など、一般利用者への普及との組合せによる新たな産業革命をリードすることであり、また「アジアから発信するグリーン・ニューディール政策」の先導役になることです。
*エネルギー・環境技術国際研究拠点(SOLAR QUEST、SQ)とは:
地球環境問題、エネルギー・資源問題を地球規模で解決するために発足した国際研究拠点。地球上に降り注いでいる太陽エネルギーを最大限に活用して地球全体で持続可能なシステムを実現するために、国内外の産業界・大学・研究機関等と密接に連携して、革新的な研究を行うことを目的としている。その他、次世代蓄電技術やバイオマス等の研究も進めるとともに、幅広く国際的なエネルギー・資源に関する情報の集積・交換の場として、研究・開発を通じた人的ネットワークを構築し、先進的・国際的なリーダーシップを発揮できる実務者の育成も目指している。
SOLAR QUESTホームページ:http://solarquest.rcast.u-tokyo.ac.jp/ja/
**GENNAIの由来は:平賀源内(1728-1779)。 江戸時代中期の本草(薬学・博物学)学者・発明家・戯作者。エレキテル(摩擦起電器)の復元に成功するなど、柔軟でオリジナルな発想で数々の科学的業績を残し、一方では浄瑠璃や陶芸、絵画の分野で活躍。科学・文化の両面で溢れる才能を開花させた日本を代表する天才、マルチプレーヤーである。
【添付資料について】
図1,2:太陽電池の需要増加にともない、多様な素材による様々な開発が進められている。なかでも原料が豊富で、コスト低減と高効率を同時に達成できる新シリコン精製法が最も期待されるものであり、GENNAIの主要テーマの一つである。
図3:集光・集熱を同時に行う大規模システムの実現可能性の探求などにも取り組んでいく。
■本件問い合わせ先
国立大学法人 東京大学先端科学技術研究センター
富田孝司客員教授
【プレス発表/取材に関する窓口】
国立大学法人 東京大学 先端科学技術研究センター
経営戦略企画室広報担当 神野智世子