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グリーン東大工学部プロジェクトが第一次実証実験の成果を公表 ~グリーン東大1周年総会にて成果公開のためのテクニカルツアーを実施~記者発表

グリーン東大工学部プロジェクトが第一次実証実験の成果を公表 ~グリーン東大1周年総会にて成果公開のためのテクニカルツアーを実施~

2009年5月26日


【報道発表資料】


国立大学法人 東京大学
グリーン東大工学部プロジェクト

グリーン東大工学部プロジェクトが第一次実証実験の成果を公表
~グリーン東大1周年総会にて成果公開のためのテクニカルツアーを実施~


国立大学法人東京大学(総長:濱田 純一、以下東京大学)と、グリーン東大工学部プロジェクト(*1)(代表:江崎 浩、以下グリーン東大)は、東京大学本郷地区の工学部2号館(以下工2号館)を対象として、ITによる省エネとIT環境自身の省エネの両立を実証するための実証実験(*2)の第一次成果を公開しました。

グリーン東大は、2008年6月に発足し、産官学が協力して、地球環境の保全と活動環境の改善を目指すことを目的として、研究開発活動を開始致しました。発足当初から、「東京大学本郷キャンパス工学部2号館」を実証実験場として、最先端の省エネ・環境対策技術の統合化と評価を行い、成果をあげて参りました。

グリーン東大では、5月26日の1周年の総会において、第一次実証実験の成果公表を目的としたテクニカルツアーを実施しました。
テクニカルツアーで公表した第一次実証実験の成果としては、以下が挙げられます。
? インターネットを利用した電力計測の見える化
 (利用者単位に部屋、機器ごとの消費電力量を計測と収集による見える化の実現)
? 既設への無線による温湿度計測(1分単位、6ヶ所、12ポイントのデータを収集)
? Exaquantum(*3)環境構築およびoBIX(*4) & BACnet/WS(*5) OPCサーバの開発
? oBIXサーバをWindowsで開発し実運用化、oBIX仕様を日本語化し公開
  http://lmjapan.org/docs/technique/obix-1.0-cs-01jpn00.pdf
? 既設の監視盤のデータをBACnet/WSにて統合
  BACnet/WS は東京都環境研プロジェクト実証実験仕様に採択
? PLC(*6)による新たな配線なしで機器個別の電力計測を実現
? 照明制御システムを利用して、各種設備のトータル省エネコントロールを実現
? BX-Office(*7)(照明用人感センサをマルチ活用し、自動設備制御と稼動状況の見える化を実施)
? BigFix電源管理(最小限のPC負荷による数分単位のリアルタイム見える化の実現)
? 光ファイバセンシング技術によるサーバルーム空調電力15%削減(別紙1参照)
? Wエコ環境配慮型照明器具と熱線・照度センサの連動で「省エネ」「省資源」を実現

グリーン東大では、次なる展開として、台湾との覚書の締結を皮切りに、世界各地域との連携により標準化活動を推進してまいります。

(*1) グリーン東大工学部プロジェクト(http://www.gutp.jp/
国立大学法人東京大学(総長:小宮山 宏(当時)、以下東京大学)が、IPv6 普及・高度化推進協議会と協力して、2008年6月9日に発足させた。
東京大学本郷地区の工学部2号館(2005年竣工 地上12階 総合研究教育棟)をモデル的な舞台として、個別に運用管理されていた施設の設備制御管理システムを相互接続し、投入・配送・消費エネルギーの状況を収集・可視化し、ITによる省エネとIT環境自身の省エネの両立を実証する。設立発起人(詳細は、「発起人・組織リスト:http://www.gutp.jp/list/ 」を参照)を中心に、技術規格標準化関連団体、建設会社、建設設計事務所、ハードウエア・ソフトウエアベンダ、インテグレータ、通信事業者などファシリティーの企画・設計・構築・運用に関連する関連組織からの参加の下、データ取得方法・表現形式などの標準化やファシリティーの運用管理効率の向上などをはじめとして、省エネ実現のモデルケース確立などに取り組んでいる。
代表は東京大学大学院情報理工学系研究科の江崎浩教授が務めている。

(*2) 実証実験の対象となるシステム
? 空調
? ビルマネジメントシステム(BMS)用のソフトウエア
? 照明
? 研究室内使用電力
? サーバルーム

(*3) Exaquantum
Exaquantumは、MES(Manufacturing Execution System: 製造実行システム)のコアコンポーネントであるPIMS(Plant Information Management System)ソフトウェアパッケージ

(*4) oBIX
oBIX(OpenBuilding Information Exchange)とは、オープンネットワークで構成されたシステムを統合管理するための新しいプロトコルWebサービスを使って実装する

(*5) BACnet/WS
ASHRAEが1995年に規格化したビル設備システムの標準通信プロトコルBACnet(A Data Communication Protocol for Building Automation and Control Networks)でWebサービスを利用するための規格

(*6) PLC
PLC(Power Line Communications)は電力線を通信回線として利用する技術

(*7) BX-Office
BX-Officeは、ユビテックが開発したインターネットと設備制御の統合ゲートウェイで、オフィスの照明・空調制御や監視設備(警備システムやセキュリティシステム等)といった複数の設備制御システムとの連携が可能となる。


<本件に関するお問い合わせ先>
グリーン東大工学部プロジェクト代表
東京大学大学院情報理工学系研究科 教授 江崎 浩

グリーン東大工学部プロジェクト事務局
〒101-8141 東京都千代田区大手町2-3-6
株式会社三菱総合研究所
社会システム研究本部 情報通信政策研究グループ
URL: http://www.gutp.jp/



別紙1

光ファイバセンシング技術を活用したサーバルーム空調電力の15%削減に成功

■概要
グリーン東大工学部プロジェクトは、東京大学工学部2号館内サーバルームにおいて、光ファイバセンシング技術を活用し、サーバルーム空調動力の15%削減に成功しました。
グリーン東大工学部プロジェクトでは、工学部2号館内サーバルームを省エネルギー技術開発の実証実験場とし検討・実験を行って参りました。
横河電機が開発した光ファイバによる温度分布計測技術により、サーバラック内の温度分布を細密に計測し、そのデータを基に気流設計及び空調設定値の最適化を行いました。
その結果、サーバの使用環境を維持している空調設備電力を最少化することができ、消費電力量を15%削減することに成功しました。
実証実験参加会員:横河電機株式会社

■参考説明
・光センシング技術:
光ファイバを通る光が、温度変化に比例した散乱光もしくは反射光を発生することから、光ファイバそのものをセンサとして利用し、散乱光や反射光を解析することで温度を測定する技術。

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