記者会見「島津製作所(田中耕一記念質量分析研究所・所長)田中耕一フェローが、東京大学医科学研究所客員教授に就任、および共同研究の開始」記者発表

平成21年6月12日
東京大学医科学研究所
島津製作所
記者会見「島津製作所(田中耕一記念質量分析研究所・所長)田中耕一フェローが、
東京大学医科学研究所客員教授に就任、および共同研究の開始について」
1.発表日時:平成21年 6月18日(木)11:00~12:00
2.発表場所:東京大学医科学研究所1号館講堂(東京都港区白金台4-6-1)
3.発 表 者:清木 元治 東京大学医科学研究所長
田中 耕一 島津製作所フェロー/東京大学医科学研究所客員教授
4.発表概要:
島津製作所 田中耕一フェローが医科学研究所の疾患プロテオミクスラボラトリー顧問に就任し、客員教授の称号が付与された。質量分析を用いたタンパク質翻訳後修飾の解析手法の開発とその医科学研究への応用を医科学研究所と共同で行っていく。
5.発表内容:
平成21年4月1日付けで、島津製作所(田中耕一記念質量分析研究所・所長)田中耕一フェローが東京大学医科学研究所の非常勤講師に就任し、併せて客員教授の称号が付与された。
就任後は、医科学研究所疾患プロテオミクスラボラトリーの顧問を務める。予定されている主な役割は、質量分析を用いたタンパク質翻訳後修飾の解析手法の開発とその医科学研究への応用を医科学研究所と共同で行っていくことである。タンパク質の翻訳後修飾は、そのタンパク質の機能を制御する重要な役割を担っており、その異常は様々な疾患の発症や病態の変化の原因となる場合がある。しかし、それぞれのタンパク質に対して加えられた固有で複雑な翻訳後修飾を明らかにすることは、現在でも非常に技術的困難を伴う研究である。特に、生体に存在する高分子量のタンパク質を取り出して、そのまま翻訳後修飾を網羅的に解析することは現在の技術ではほとんど不可能と考えられており、そこに技術革新が生命および疾患の理解を大きく前進させることが出来る余地がある。今回、島津製作所田中耕一記念質量分析研究所が開発した生体試料の前処理手法やMALDIとMSnを組み合わせた質量分析計MALDI-DITMSnは、高分子量のタンパク質の変異や修飾をこれまでに無い感度で検出することを可能とするものであり、その有用性を検証するための共同研究を医科学研究所で行う。解析の対象は、がんおよび感染症等にかかわる重要なタンパク質であり、共同研究の成果からは、タンパク質機能を制御する新たな修飾の発見、様々な疾患の発症機構解明、新たな疾患マーカーの発見などが期待される。また、これらの成果から、新しい創薬への可能性も生まれると考えている。
6.問い合わせ先:東京大学医科学研究所
(東京都港区白金台4-6-1)
島津製作所
(京都府京都市中京区西ノ京桑原町1)
7.会見会場:東京大学医科学研究所1号館講堂(東京都港区白金台4-6-1)
(http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam04_01_08_j.html)