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記者会見「東京大学は柏にジェロントロジー(老年学)の拠点整備へ」記者発表

記者会見「東京大学は柏にジェロントロジー(老年学)の拠点整備へ--地域医療再生計画で在宅医療・ケア推進のプロジェクト実施、柏市・UR都市機構との取り組みも強化へ--」

    平成22年3月4日

報道機関各位

東京大学は柏にジェロントロジー(老年学)の拠点整備へ
--地域医療再生計画で在宅医療・ケア推進のプロジェクト実施、柏市・UR都市機構との取り組みも強化へ--

 東京大学(総長:濱田純一)は、柏キャンパスにジェロントロジー研究教育センター(仮称)を建設し、ジェロントロジー(老年学)の取り組みを強化していきます。これは国の平成21年度第一次補正予算で、ジェロントロジー総合研究棟4000平米の建設と先端研究予算が認められたため拠点を整備するもので、平成23年2月に建物が竣工、23年度から本格稼動していきます。あわせて、国の地域医療再生計画への千葉県からの申請に、在宅医療・ケア推進の部分を千葉大学や千葉県内の医療機関との連携のもと、東京大学が担うことになり、医師の研修などを実施していきます。また、柏市豊四季台地区での市・UR都市機構との協同の取り組みも強化しており、本年7月を目途に地域の関係者・住民等も入った協議会を設立して、諸々の事業を実施していきます。

 本プレスリリースの内容について、高齢社会総合研究機構の教員による説明を行いますので、ぜひご参加いただきますようお願いいたします。

1)日 時:平成22年3月9日(火) 10時から
2)場 所:東京大学工学部列品館2階中会議室(別紙地図参照)
3)発表者:鎌田  実 高齢社会総合研究機構長・教授
        辻  哲夫 高齢社会総合研究機構・教授
        秋山 弘子 高齢社会総合研究機構・特任教授 

●ジェロントロジー研究教育センター(仮称)
 柏キャンパスに、数物連携宇宙研究機構および情報基盤センターの建物をあわせて11500平米の建物を建設する。まもなく着工して、平成23年2月に竣工予定。21年4月に東京大学が総長室に設置した高齢社会総合研究機構(機構長:鎌田 実教授)の一つの活動拠点となる。ジェロントロジー研究教育センターと共同利用の研究スペースなどを設置し、フレキシブルに研究活動ができるようになっている。同センターは、1階部分に、MRI・CTなどの医療計測ができる計測室や、高齢者の健康管理やケアができるような看護介護相談室など、2階部分には、人間行動・脳活動の計測ができる評価室、支援機器の評価室、模擬住居、および研究室等を配置する。補正予算により、医療計測機器、人間行動・脳活動の計測機器などを設置し、ジェロントロジーの幅広い研究が実施できるようにする。建物は、高齢者の住民など外部の人が出入するので落ち着ける雰囲気を出すように構造・配色などの工夫をし、廊下等を広く取り、くつろぎ・コミュニケーションスペースを十分有するようになっている。高齢者の研究施設は、医療などの専門施設は他にもあるものの、ジェロントロジーの学際的なものは日本で初めてのものになる。

●地域医療再生計画
 国の地域医療再生計画(平成21年度補正予算で基金)へ、千葉県から申請したものの中の在宅医療・ケア推進の部分を、千葉大学や千葉県内の医療機関との連携のもと、東京大学が担う。高齢社会総合研究機構は、活動の一つに在宅医療・ケアの推進をかかげており、千葉県の目指す医療の姿と一致することから、柏地区をはじめ、千葉県全域への在宅医療・ケアのシステムの展開に向けた取り組みを開始するものである。22年度から4年計画で、東京大学高齢社会総合研究機構内の寄付プロジェクトとして実施する。(開始は22年7月1日の予定) プロジェクトのリーダーは辻哲夫教授が担当し、専任の教員として西永正典氏(現、高知大学医学部准教授)を特任准教授として招聘することが内定しており、活動がはじまる。(他の看護等の教員は選考中) このプロジェクトでは、在宅医療の研修プログラムを整備し、医師の研修を実施し、柏市豊四季台地区に今後誘致する医療拠点を中心に、在宅医療・ケアの実践と教育を行っていく。在宅医療推進フォーラム関係者等の協力を得て、早期に活動を展開していく。前記の柏キャンパスのセンターの計測関係・研究室と豊四季台地区での拠点とあわせての活動となる。

●豊四季台地域での取り組み
 東京大学高齢社会総合研究機構では、平成22年4月から、柏市・UR都市機構と協同の取り組みを開始し、豊四季台団地の建て替え計画にあわせて豊四季台地域での長寿社会のまちづくりの活動を行っている。既に7回の研究会、3回の地元での講演会、10回以上の小集会・聞き取り調査などを実施した。この活動を強化すべく、22年7月を目途に、地元医師会などの関係者、地元住民なども参画する協議会を立ち上げ、諸々の事業を実施する。
 東大の機構では、エイジングインプレイスの理念で、総合的なまちづくりのモデル構築にむけての活動をしており、1)高齢者の生きがい・就労、2)在宅医療・ケア、3)住居・移動などのインフラの3本柱を中心としている。
1)生きがい・就労に関しては、特に、農業とコミュニティ食堂について、早期に試行を始めるべく、準備をすすめている。
2)在宅医療・ケアに関しては、前記のような寄付プロジェクトを開始し、あわせて情報システムの開発を行っていく。
3)住居・移動などのインフラに関しては、豊四季台団地のURの建替えにあわせた取り組みを行うほか、一戸建てや他地域での移動と交通の問題に対しての取り組みも進める。

●その他の取り組み
 千葉県柏市とともに、福井県とも長寿社会のまちづくりモデルの構築にむけて研究活動を実施している。県からのレセプトデータの提供をもとに、医療費等の分析、将来へのシミュレーションの研究、高齢者の運転・公共交通のあり方に関する研究、限界集落等の研究などが実施中で、今後、地域を絞った総合的な取り組みを開始すべく準備中である。
 東京大学産学連携本部のジェロントロジーコンソーシアム事業は、35社の企業の参加を得て、活発な活動を実施している。2年計画で、2030年頃の未来の姿を定め、それに向かうロードマップを構築し、アクションプランを立てるというもので、まもなく1年目の活動を終えるので、3月17日に中間報告会を実施する。

当日資料はこちら

問い合わせ先:東京大学高齢社会総合研究機構 

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