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東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構の設置について記者発表

東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構の設置について

平成22年3月30日

東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構の設置について

 東京大学大学院農学生命科学研究科は,平成22年4月1日付けで,「同研究科附属農場(東京都西東京市)」と「同研究科附属緑地植物実験所(千葉市花見川区)」を改組し,「同研究科附属演習林田無試験地(東京都西東京市)」の教育研究機能を組み入れ「同研究科附属生態調和農学機構」を設置します。
 従来,3つの施設ではそれぞれの設置目的に基づき教育・研究を行ってきましたが,それらを統合して生まれる生態調和農学機構では,「持続的な生態系サービスと調和する農林業と社会の探求」を目的として,耕地・緑地・林地からなる「西東京フィールド」での農学教育研究により,社会の負託に真摯に応えていきます。
 これまでの農学は,生産性向上を至上命題とした近代農法の確立により,20世紀の飛躍的な食料・生物材料の増産に大きく寄与してきました。しかしながら,それは化学肥料や水,農薬,農業機械の多量投入と単純な生物相の上に成立したものであり,環境破壊や資源枯渇などの問題を生じることとなりました。21世紀の農林業には,生態系と調和した生物生産によって,持続的社会の実現に大きな役割を果たすことが求められます。
 生態調和農学機構では,環境負荷が小さく持続的な農林業生産方式の開発と農林生態系の多様な機能の解明を進め,持続的社会への移行のために農林業と農山村の果たす役割を明らかにしていきます。同機構では,附属農場における禁止農薬使用問題を深く反省し,徹底した農薬管理と生産履歴記録などを通して,良好なコンプライアンスと透明な組織運営を実現します。さらに,食料生産の環境負荷低減や生産物への消費者の安心確保をテーマとした研究を進めることにより,安全で持続的な社会の実現に貢献します。


〔生態調和農学機構の概要〕
名称:東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構

略称:東大生態調和農学機構/英語名: Institute for Sustainable Agro-ecosystem Services (ISAS)

所在地:東京都西東京市緑町1-1-1 (西東京フィールド)

組織と構成員数:機構長(副学部長)1,副機構長1,教育研究部11,企画室(弥生地区)2,技術部17,事務室3。 別組織で環境安全管理室分室を置く。

教育研究内容: 次の3つの研究領域で教育研究を進める。
 ・情報・社会研究領域:農林業と社会の関係性を,食品の安全,環境保全,景観形成などの観点から究明する。情報学,農業経済学,農村社会学,景観生態学などの学問分野に基礎を置く。
 ・農林生態系研究領域:生態系サービスを人類が持続的に享受する見地から,農林生態系の評価法や管理手法を究明する。森林生態学,緑地環境学,保全生態学などの学問分野に基礎を置く。
 ・生物・物質環境研究領域:さまざまなスケールの物質循環を念頭に,農林業と環境をめぐる生物の働きと物質の挙動を究明する。植物栄養学,作物学,木質科学,環境農学などの学問分野に基礎を置く。

添付資料はこちら

○本件に関する問合せ
東京大学農学系事務部総務課

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