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東京大学WOWアライアンス-台湾工業技術研究院(ITRI)と提携記者発表

アジアの3極連携を見据えた半導体国際共同研究が始動
     東京大学WOWアライアンス-台湾工業技術研究院(ITRI)と提携

東京大学大学院工学系研究科 プレスリリース

1. 発表タイトル
    「アジアの3極連携を見据えた半導体国際共同研究が始動
             東京大学WOWアライアンス-台湾工業技術研究院(ITRI)と提携」

2.発表概要
 東京大学大学院工学系研究科附属総合研究機構(※1)WOWアライアンス(※2)は、2010年4月27日に台湾工業技術研究院(Industrial Technology Research Institute:以下ITRI)との共同研究に合意した。

3.発表内容
 LSIの三次元積層技術を推進しているWOWアライアンスは、2010年4月27日にITRIとの共同研究に合意した。これまで東京大学大学院工学系研究科とITRIは学術交流に関する協定を締結しており、今回の共同研究は先端半導体の実用化研究としては、はじめての試みである。
 WOWアライアンスは、廉価で量産性に富む3次元LSIの実現に向けた共同研究プロジェクトである。昨年のIEDM2009(電子デバイス技術に関する国際学会「International Electron Devices Meeting」)では、WOWアライアンスの積層方式により、世界最薄の厚さ7- mまで薄化した300-mm、45-nm CMOSロジックウェーハおいて、電気特性に問題が無いことを報告している。
 今回の共同研究は、ITRIの三次元実装コンソーシアム Ad-STAC(※3)でWOWアライアンス提案の三次元積層を実施するものであり、国際連携と開発加速を意識した両者の思惑が合致した。Ad-STAC の300-mm試作ラインには、米半導体製造装置大手のアプライドマテリアルズ社や独半導体製造装置のSUSS社が参加している。
 現在、世界の半導体業界はかつての米国-日本主導から、台湾ファンドリーや韓国メーカ、日本メーカを中心としたアジア圏主導へと大きくシフトしている。また三次元積層技術では、前工程と実装工程の双方を含んでおり、異なった技術領域を融合してトータルなインテグレーションが要求される。そのため、今後の半導体における新技術研究開発では上記アジア3極での連携が要になる。WOWアライアンスとAd-STACは、今後は日本と台湾に加え韓国との連携も視野に入れて活動を拡大していく予定である。

4.問い合わせ先:
 東京大学大学院工学系研究科附属総合研究機構
 学術支援専門職員(大場研究室秘書) 吉田 薫



※1 <東京大学大学院工学系研究科附属総合研究機構 >
(東京都文京区弥生2-11-16、機構長寺井隆幸教授)
東京大学大学院工学系研究科において、専攻を超えた研究・教育を実施する場として、また新たな教育・研究スキームに果敢に挑戦する場として、2006年1月に発足した組織。特に「社会連携の強化」を中心とした研究教育体制改革、ならびに「若手層の強化」を実践している。

※2 < WOW (Wafer-on-Wafer)アライアンス >
(アライアンスリーダー:東京大学大学院工学系研究科附属総合研究機構 大場特任教授)
東京大学大学院工学系研究科附属総合研究機構ナノ工学研究センター大場隆之特任教授を中心に、名古屋大学、株式会社ディスコ、大日本印刷株式会社、株式会社富士通研究所など複数企業からなる産学共同研究組織。ウエハ単位で簡単に積層できる三次元化技術の実用化を目指している。

※3 < 三次元実装コンソーシアム(Ad-STAC)>
(Advanced Stacked-System Technology and Application Consortium、代表Dr. Ming-Jer Kao)
台湾の政府系研究機関であるITRIが支援する3次元実装技術の推進団体。学術機関や大手半導体企業を対象とし、2008年に設立されたコンソーシアムであり、共同研究、公的リソースの活用、標準の策定などによる3D IC技術の向上を目的としている。



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